2人に困っています!

@uretkztu

第1話母(恭子)の再婚

月城春花は母親、恭子の再婚家族に合う為にホテルに着いた。


母は41歳と年齢のわりには若く余計な贅肉など無い。スラリとしていてメリハリのあるボディで美しい。

胸元の開いたタイトなワンピースに身を包み一粒ダイヤのネックレスに品の良い高さのヒールを合わせている。

背中まである長い黒髪は揺れる度に艶めいて薔薇の香りが微かに広がっていた。


『母さん、息子の僕から見ても綺麗だと思う。』


横を歩いていた僕に振り向き優しく微笑む。


母「どうしたの?緊張してる?」


僕の視線を感じて話し掛ける。


春花

「まぁ…初めて会う訳だし緊張はするよね

それと、今日も母さん綺麗だなって。」


「ふふっ、ありがとう。

とても優しい方だし、早く貴方に会いたいって言っているのよ。安心して。」


レストランに着くとドアマンが硝子の大きな扉を開け、中に誘導する。

係の一人がにこやかに席に案内し、丁寧な会釈をして離れて行った。

僕達が案内されると、席をスッと立ち笑顔で軽く会釈をする。


「お待たせしてすみません。

春花、こちらが義理父さんの秀二さん、ご長男の斗真さん、次男の悠さんよ。」


3人とも高身長でイギリス人ハーフの義理父に似て堀が深くモデルの様な整った顔立ち。

ブランドのスーツを着こなし大人の色気がだだ漏れだ。


春花「初めまして春花です。」


義理父

「宜しく『春花さん』

立ち話しもなんだから、座りましょうか。

食事をさながらこれからの事も話しましょう。」


全員が席に座るとコース料理が運ばれて来た

母は義理父と会話が弾んでいる。

幸せいっぱいな母の笑顔を見て嬉しく思う。

ふと、視線を感じて義理兄達をゆっくり見ると目が合った。

途端に恥ずかしくなり下を向く。すると、義理父さんから話し掛けられた。


義理父

「『春花さん』は高校2年生なんだね。

何処の学校に通っているの?」


『ああ、そんなカッコいい顔で笑い掛けられると恥ずかしい///』


恥ずかしさを隠しつつ、にこやかに答える。


春花「聖南学園(せいなん)です。」


義理父

「じゃぁ、息子達の後輩になるね。

アソコは確か、男子校のエスカレーターだったと思うんだけど最近、共学になったのかな?」


春花「いえ、今も男子校ですよ。」


一同「・・・」


春花の答えに変な空気の間が流れる…。

母がその空気に耐え兼ねて少し吹き出しフォローを入れる。


「ぷふっ、秀二さんはハンサムな息子さん達を見慣れているから、春花が女の子に見えたのね。

背が小さいし、どちらかと言うと顔付きは私に似ているから。」


義理父

「あぁ、そうなんだねっ、

『春花君』間違えて悪かったね。

あまりにも、その、、可愛くて。」


『母さん!それ全然フォローになってないから!義理父さん焦ってるし。』


春花

「いえっ、気にしてないので大丈夫です。///」


義理父の言葉に反応して次男の悠(ゆう)が話し掛ける。


「うん。俺も可愛いから女の子だと思っていたよ。

ごめんね?でも、弟が欲しかったからとっても嬉しいよ♪」


斗真(とうま)も続いて話す。


斗真

「恭子さんには以前から会っていたから、お子さんが居るって教えて貰った時はどんな子なんだろう?って楽しみにしていたんだ。

恭子さん、とても美人だし色々想像していたんだけど、想像以上に可愛くてびっくりしたよ。」


2人の笑顔も伝えられる言葉も全く嫌味が無く、ただ本心で言っているのだと分かる。

本当に春花は可愛いのだ。

母親に似て二重の目は大きく睫毛も長い。

艶がありサラサラの髪は思わず手を伸ばし触れてみたくなる程だ。

本人からしてみれば毎日、鏡で自分の顔を見ているがカッコいいとは思わないものの、まさか『女の子』に間違われるなんて想像した事など無い。

そう!自覚が無いのだ。

だから、可愛いと言われても男だから春花の心中は複雑な思いでざわざわしていた。


春花

「ありがとうございます?

これから、お願いします。」


斗真・悠「勿論。色々とよろしくね。」


斗真と悠が秘かに牽制(けんせい)し合う。

2人の瞳の奥の欲望は静かに燻り始めている事を誰も知らない…。


義理父と母は3人のやり取りを目を細めて眺めるのであった…。





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