高校生、カクヨムやめるってよ

 誹謗中傷などが原因で、小説投稿サイトを退会するというツイートをたまに目にする。

 この前のツイートの主は、高校生だった。カクヨムへのリンクが張ってあったので覗いてみると、けっこう評価をもらっている人だった。残念な話である。


 世の中はプラスとマイナスをトータルで考えた方がよい場合が多い気がする。

 現実社会でもネット社会でも、変な人は一定数いて、小説投稿サイトに小説をあげていると、あちらからコンタクトを取って来ることがままある。

 書く楽しさ、読んでもらう喜びというプラスの面と、そういうマイナスの面を勘案して、トータルがマイナスならば、やめるのがよいように思う。

 小説を書くこと以外にも娯楽はあるし、公募に専念するという手もあるだろう。

 しかし、トータルで考えたときにプラスの場合は、マイナス面ばかりに気を取られないで、書き続けてほしいと個人的には思う。

 ただ楽しく書きたいだけで、こちらから関係をもったわけではないのに、変な人と関わらなければならないのは苦痛である。しかし、こんなことは言いたくないが(とくに若い人に)、それは生きていれば、往々にしてあることである。だからこそ、マイナスばかりに目をやってはいけないと個人的には思う。とても難しいことで、私もできているとは言い難いことだけれど。


 変な人、もしくは自分と趣味や価値観がちがう人と、小説投稿サイトでどう付き合えばよいのだろうか。

 それに対する私なりの答えとしては、「自分が読んでもらいたい読者像を思い描いて、それにそぐわない人は(あまり)相手にしない」である。

 私が心に留めている話に、「自分の年齢のプラス・マイナス10歳以上、年の離れている人間とは価値観が合うことはまれである」というものがある。

 これは世代間の話だが、同じ世代の中でも、生い立ちや趣味趣向で「話が通じない人間」は存在すると思う。

 なにが言いたいのかというと、「話せばわかる」は幻想で、「話してもわかりあえない人間がこの世には存在する」ということだ。

 そういう人間を切り捨てることが、自己防衛につながるように思う。そのようなことを実社会で行うことは難しいが、いま、私が問題にしているのは、しょせんネット社会の話である。

 冷静に、冷静になって考えてみれば、ネットでだれかに嫌われたからと言って、とくにそれが価値観や性格が合わない、想定している読者でない者である場合、それが何だと言うのだろうか。もちろん、理屈ではそういう話になっても、実際に対応するときには、画面の向こうに生身の人間がいると思って、傷つく人が多いだろう。私だって、耐えられないかもしれない。でも、冷静に考えれば、それが真相であろう。

 だれとでも仲良くしようとする人、ある特定の人たちを無視できない人は、インターネットに向いていないように思う。その場合、とりあえず、一度、ネットから距離を取るのがよいだろう。


 私の場合、いま書いている小説の想定している読者像は、歴史が好きだが、オタクではなく(何でも歴史にからめる人)、アニメやマンガもたしなむ人で、人数は十人くらいがこのネット上にいると考えている。

 年齢は私のプラス・マイナス10歳以内。この年代ならわかるだろう、映画やアニメのパロディを作品に入れているので、高齢者に読んでもらおうとは思っていない。また、歴史のパロディもちりばめているので、カクヨムで書いている若者の多くにも、わかってもらおうと思っていない。

 上で想定した読者像に当てはまる人の意見は、悪意があろうが傾聴するが、それから外れる人の意見は基本的に聞く気はない。「ご意見ありがとうございました。参考にいたします」で終わりである。


 やっかいなのは、悪意を自覚している人ではなく、善意で余計なことを言って来る人だろう。

 とくに、誤字脱字等の指摘は、さまざまなトラブルを起こしている。

 私は基本的に、相手に求められても誤字脱字の指摘はしない。少なくとも、何度もやりとりをした相手でなければ決してしない。

 プロフィールなどで、「誤字脱字を見つけたらお知らせください」と書かれていても、初対面の人に報告などはしない。

 これは個人的な意見だが、誤字脱字等の指摘は、「相手が明確に求めていて」、「よく見知った仲」でない限り、しない方がよいと思う。それがまともな大人の作法のように思う。

 そういっている私は、初対面で指摘されても喜ぶ方だが(最初の挨拶がないときれるけど)、上にあげた意見が一般的なマナーのように思わぬでもない。

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