『老いはぎ』3

やましん(テンパー)

『老いはぎ 3』 上の1


 ぼくは、2階の、寝室にしている部屋に、荷物を取りにあがった。


 お手洗いは、かなり心配はしたが、ひとりついてきてくれたし、何事もなく、LEDライトも、回収した。


 もったいないからね。


 それで、貴重品も入っている、カバンを枕元から引き出して、小型のラジオ付きテレビとか、髭剃りとかの、日用品を放り込んだ。


 で、布団の上に、ちょっと、放り上げるように、乗せたのである。


 ずしゃ❗


 何があったか、分からなかった。


 お助け隊のひとりが、あわてて、駆けつけてきて、あぜんとした。


 ぼくの寝ていた布団は、床から立ち上がった5本の『槍』に、貫かれていた。


 『うぎゃあ〰️〰️〰️。』


 ぼくは、尻餅をついた。


 『あぶない❗』


 お助け隊員が叫びながら、ぼくを引っ張った。


 間一髪、座っていたあたりも、串刺しにされた。


 『早く降りよう。やぱ、幽霊屋敷だど。』


 『は、は、はい。こあ〰️〰️〰️。こあ〰️〰️〰️。』


 ちょっとさすがに、腰が抜けたようになってしまった。


 リーダーの女性も上がってきていた。


 『まあ、よく、生きてたもんだね。』


 さっと、言われてしまったので、さすがに、ちょっと、腹が立った。


 『あなた方が、用意したんでしょ。』


 『まあね。しかし、そのくらい、危ない相手に闘いを仕掛けたんだ。あなた。』


 『うう。………』


 『まあ、とにかく、出よう。爆発でもされたら、ことだぜ。』

 

 『賛成。』


 ぼくらは、壊れた玄関から脱出した。


 ぼくは、情けなく、肩を抱かれていた。


 それから、玄関前に止まっていた、あの、装甲車のような自動車に乗って、走り出そうとした瞬間。


 その、おうちは、吹き飛んだのである。


 『あひゃー。怖いなあ。姉さん、この車でなかったら、お陀仏だったかも。』


 『ふん。出発だよ。長居は無用さ。こんな家は。』


 車は、降り注ぐ燃え上がる残骸の中を、急発進した。


 さすがに、かなり遠くの、村の中心部から、サイレンの音が聞こえる。


 『派手に、やったね。しかし、だな………。』


 彼女が、話しかけた。


 『しかし、なんですかい、姉さん。』


 『タイミング、良すぎだね。まるで、見ていたように。でしょ。』  


 『そりゃ、主人公の場合は、そうなるでしょう。』


 『まあね。しかし、いつまでも、脅しでは済まないだろうね。次は、皆殺しとか。それは、いやだから、あなただけに、しなさいな。』


 ぼくは、答えた。

 

 『いやです。』


 


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