第120話 トロッコで湿原をめぐる

 サファリパークの湿原しつげんエリアにいるヒビキたち。

「ここは、トロッコでめぐるコースだ!」

「乗ってみよう!」

「うん!」

ヒビキたちは、トロッコに乗って湿原エリアをめぐる。

「それじゃあ、出発!」

こうして、ヒビキたちを乗せたトロッコが動き出した。

「これは?」

「カブだ!」

「カブは、江戸時代には漢語で蕪菁かぶかぶ蔓菁つるかぶ扁蘿蔔へんすずしろなどと呼ばれていた。カブの語源には諸説あり、頭を意味するかぶり、根を意味するかぶ、またはカブラの女房にょうぼう言葉ことばであるオカブからとされている。世界中で栽培されているが、分類上はアフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との二変種に分かれる。原産地についてはヨーロッパもしくは中央アジア起源の一元説や二元説がある。歴史は古く、中国では『詩経』に記載きさいされ、ヨーロッパ系も古代ギリシャの史料に見られる。ただし、ヨーロッパで広く普及したのは十六世紀からで、飼料しりょう用途ようとが多かった。東ヨーロッパなど寒冷地では冬場の貴重な食料源や救荒きゅうこう植物しょくぶつとして活用された。日本でも古くから利用例があり、『古事記』に記されている吉備の菘菜すずなはカブのことと見られている。『日本書紀』にも、とう天皇てんのうが栽培を推奨すいしょうしたとの記述がある。きょう野菜やさいなど西日本で見られる中国伝来のアジア系とともに、東日本でヨーロッパ系が在来種として確認され、シベリア経由と見られている。肥大ひだいした球形の根を可食部として利用するが、これは発生学上で胚軸はいじくと呼ばれる部位で、本当の根はその下に伸びたひげ状の部位である。漬物用つけものようの日野菜や薬味用の遠野とおのかぶなどではこの胚軸が大根のように長く伸びるが、野沢のざわではほとんど肥大しない。胚軸と根の色は多くの場合白だが、これらが赤くなる赤蕪と呼ばれるものもあり、東日本に多いとされる。黄河こうがくれないまるなど、最近中国から導入された品種もある。根の部分の栄養素えいようそはダイコンとほぼ同じである。葉にはカロテン、ビタミンC、食物しょくもつ繊維せんいが豊富に含まれている。アブラナ科に共通する苦味や辛味はあるが、カブはなかでも甘味あまみが強く、寒い時期ほど甘味は強まる」

ヒビキたちは、トロッコにあるカブを投げてみると、

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「コインが出た!」

岩がくだかれて、コインが出てきた。

「気を付けて!」

「うん!」

このトロッコは、ひとあじちがう。

「すごい!」

「信じられない速さだ!」

ジェットコースターのように速く進み、

ぬまにはまってしまうとしばらく動かなくなってしまう!」

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

湿原ならではの泥沼どろぬまも、道をはばんでいく。

 そして、

「ここが…」

「終着点だ!」

ヒビキたちを乗せたトロッコがゴール地点に到着した。

「よくここまで来たことをほこりに思っている」

「君は?」

「私は、タカのユリイカだ。助けてくれたことに、感謝かんしゃしている」

「タカは、オオタカ、ハイタカ、クマタカなどの種がいる。タカ科に分類される種にて比較的大きいものをワシ、小さめのものをタカと呼び分けているが、明確な区別ではなく慣習に従って呼び分けているに過ぎない。また大きさからも明確に分けられているわけでもない。例えばクマタカはタカ科の中でも大型の種であり大きさからはワシ類といえるし、カンムリワシは、大きさはノスリ程度ていどであるからタカ類といってもおかしくない」

エースと親交があるユリイカはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「おう!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

「あの火山に行くには、サファリパークのぬしを助けなければならない」

その時、アラシはこんな言葉を残した。

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