第82話 私、変わって見せます!

 ハミングタウンを訪れているヒビキたち。

「みなさん、お待たせしました!」

「あの声は…」

「ミオ!」

そこに、黄色い組みひもで結んだポニーテールに新しい服装ふくそうに身を包んだミオがやってきた。

「商店街で買ったままの服、いかがでしょう?」

「もちろん、似合っているよ!」

「活動的でいい感じ!」

「ありがとうございます!」

ミオの新コスチュームに、ヒビキとチララは絶賛した様子。

 すると、

「ダルメシアンは、水玉模様に特徴とくちょうづけられる毛色が有名だが、この原因遺伝子は同時に一定確率で難聴を引き起こす。これは近親交配をしなくても回避かいひできない。ダルメシアンでの難聴発生はけられない問題である」

「ヘアチェンジのことなら、ミーにお任せ!」

美容院のヘアサロン・101のオーナーであるダルメシアンのクリスと、

「ポメラニアンという名称は、バルト海に面し、ドイツ北東部からポーランド北西部にまたがるポメラニア地方にちなんでいる。この地方では、古来より様々なスピッツが飼育しいくされていた。ポメラニアンはドイツで中型のスピッツから品種改良を重ねることで小型化し、誕生した犬種である。そのため国際畜こくさいちくいぬ連盟れんめいからもジャーマン・スピッツの一品種に分類されており、多くの国で小さなスピッツを意味するツヴェルク・スピッツとして知られている。ポメラニアンが流行犬種となったきっかけは、十七世紀以降多くの王族が飼育を始めたことによる。とくに愛犬家あいけんかとして知られるヴィクトリア女王が小さな体躯たいくのポメラニアンを愛好し、熱心に繁殖はんしょくさせたことによってポメラニアンの小型化に拍車はくしゃがかかり、世界的な人気犬種となっていった。ヴィクトリア女王の存命中にポメラニアンの大きさはそれまでの半分程度にまで小さくなった。がいしてポメラニアンは頑健がんけんで丈夫な犬種といえるが、膝蓋骨しつがいこつ脱臼だっきゅう気管きかん虚脱きょだつ発症はっしょうすることがある。また、まれにではあるが、黒斑病こくはんびょうと呼ばれる遺伝性の皮膚ひふ疾患しっかんによる脱毛症に罹患りかんすることもある。アメリカでは近年飼育数がつねに上位十五位までに入っており、世界的な小型犬の流行に一役買っている犬種となっている。ポメラニアンは体重約五キログラム、体高約二十一センチメートルという小型犬である。小さいながらも丈夫な犬種で、あらく豊富なもうと長いかざり毛のついた巻尾を持つ。首と背はひだ飾りのような、臀部でんぶは羽飾りのようなトップコートが密生している。最初期のポメラニアンの毛色はホワイトがほとんどで、まれにブラックが見られた。ヴィクトリア女王は一八八八年にレッドの被毛を持つ小さなポメラニアンを飼育しており、十九世紀末までこの毛色のポメラニアンが流行するきっかけとなった。現在のポメラニアンは、ホワイト、ブラック、ブラウン、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラック・アンド・タン、ブラウン・アンド・タン、スポット、ブリンドル、そしてこれらのカラーのコンビネーションと、あらゆる犬種の中でもっとも多様な毛色を持つ犬種となっている。なかでもオレンジ、ブラック、クリーム、ホワイトが一般的いっぱんてきな毛色である。単色の被毛をベースに、ブルー、グレイの斑模様が点在するパターンであるマールの被毛を持つポメラニアンは近年になって作出された。ベースとなる被毛はレッド、ブラウン、ブラックが多いが、その他の毛色も見られる。ただし、ブリンドルマールとレバーマールはスタンダードとして認められていない。さらにマールの被毛の場合、ひとみ鼻先はなさき、肉球の色が他の毛色のポメラニアンとはことなり、瞳はブルーで鼻先と肉球はピンクとブラックの斑模様となる。ポメラニアンの被毛は密生したダブルコートで手入れそのものは難しくはないが、密生しており、抜け毛も多いため飼育者は毎日ブラッシングすることが望ましい。トップコートは長く粗い直毛で、アンダーコートは短く密生したやわらかい被毛である。被毛はもつれやすく、とくにアンダーコートは年に二回換毛するため、この時期には抜け毛が多くなる」

くつのことなら、何でも任せてください!」

靴屋のシューズ・ポンメルンの店長であるポメラニアンのテイラーがやってきた。

「実は、スタイリッシュ・プードルがリニューアルしてね…」

「このたび、ミーとテイラーのお店がオープンしたんだ!」

「ちょっと、行ってみる?」

「そうですね」

ヒビキたちは、テイラーとクリスに案内されてスタイリッシュ・プードルに向かうと、

「いらっしゃいませ!新しくなったスタイリッシュ・プードルへようこそ!」

と、シルクが待っていた。

「これは?」

最先端さいせんたん機能きのうが備わったミシンです!自分でいたデザインを、実際に洋服として仕立てることができますよ!」

「すごいね!」

近未来にありそうな機能が搭載とうさいされたミシンに加え、

「このタッチパネルでは、こことシューズ・ポンメルンの商品を取り寄せることができます!取り寄せていただいた商品は、郵便局を通して自宅に送られてきます!」

「そうなんだ!」

ヒビキたちは、新しくなったスタイリッシュ・プードルを満喫まんきつしたようだ。

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