第51話 世界のミュージアム

 ライトシティにいるヒビキたちが次に訪れた場所は、世界中の作品を集めた美術館。

「美しい作品たちだ!」

絵画かいが彫刻ちょうこくがいっぱい!」

すると、

「誰か助けてください…」

ロボットがモナリザの絵画のモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「モナリザは、ポプラ板に油彩ゆさいかれた板絵で、一五〇三年から一五〇六年に制作されたと考えられている。もともとはフランス王フランソワ一世が購入こうにゅうした作品だが、現在はフランスの国有財産であり、パリのルーヴル美術館が常設展示をしている。しばしばなぞと表現される画題の不確かさ、スケールの大きな画面構成、立体りったい描写びょうしゃ繊細せんさいさ、だまし絵めいた雰囲気ふんいきなど、さまざまな点において斬新ざんしんであったこの作品は、現在に至るまで人々を魅了みりょうし続け、研究の対象となってきた」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、モナリザの絵画のモンスターにとらわれたロボットの救出作戦が始まった。

「私に任せて!」

サクラは、ルビーのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「ブロッサムトゥルビヨン!」

ラビカの魔法によって、モンスターは絵画の姿にもどっていた。

「ロボットは、起源とされる作品において人の代わりに作業をさせることを目的に、人を模して作られたものであるとされているが、同作品の一般いっぱんへの広範囲こうはんいな広まりにより、各分野においてそれぞれ普及し、独自に用いられるようになった。ヨーロッパでは一九三〇年代中頃から『自動化』という意味合いでも使われている。明確な定義は事実上存在しないとされているものの、起源に習い人に代わって作業をするために作られた存在、人の姿を模して作られた存在、人の行動を模して作られた存在のいずれかまたは複数が該当がいとうする存在であるととらえられている。なお特定の分野においては明確に定義が定められている場合もある。基本的に、人の代わりに作業を行う装置そうちのうち、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行うものであり、単一の動作のみを行う装置や、絶えず人間が操作をする必要がある装置、操縦者そうじゅうしゃが搭乗する必要性があるものは含まないことが多い。その一方で、人の形を模した外観である機械装置であれば、まったくの手動操作・操縦であっても、範疇はんちゅうに含む場合があり、パワードスーツなどを含めた人の形をした乗り物または作業用機械についても同様に、一般的にはロボットと呼ばれている。作業用機械・装置であっても、高度な遠隔えんかく操作そうさや自動制御技術の導入が進み、人間が操縦者から単なる作業指示・命令者に近づきつつあり、さらに、従来よりオートパイロットと呼称されている、航空機こうくうき船舶せんぱくなど乗り物全般の自動操縦技術も、より発展し自動車にまでも及びつつあり、今後これらが更にロボット化が進む可能性があり、一層、境界が曖昧あいまいになって来ている。操り人形の類は何かの作業を目的とした装置ではなく、ましてや自動的に動作する物でもないため含まれないことがほとんどだが、あらかじめ設計された一連の動作を、特定の操作をきっかけとして行うからくりの一部やオートマタ等に、今日あるロボットの原型を見出すことができるため、間接的にからくり人形やオートマタをロボットの一種と見なすことも可能である。モーター等の動力が内蔵され機械的または電気的に人間の操作を伝達して動作するマニピュレーターも一種と見なされ、ロボットアームとも呼ばれるが、これらは厳密な定義による分類ではなく、多分に慣用句的用法である。物体としては存在しないが、人の代わりになんらかの作業を、ある程度ていど(ていど)の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行うものという定義から、コンピュータ言語によるプログラムやソフトウェアも範疇に含まれる場合もある。例としてインターネットの情報を自動検索するソフトウェア検索けんさくエンジンなどはロボット検索と呼ぶ。これらは機械的ロボットとの区別のために短縮形のボットと呼ばれることもある。別の用法として、機械的という概念がいねんを人間にあてはめ、自分で判断をしない、指示待ち的な人間や自分の意志ではなく、他人に操られて動く人間を、やや侮蔑的ぶべつてき比喩ひゆとして呼称することもある。ただし、同様の人を指して傀儡かいらいや操り人形という比喩は、それ以前から存在するため、新しい語をバリエーションの一つとしてあてはめたものと言える。英語においても、同様の比喩に用いるが、こちらも先にオートマトンが比喩に用いられていた」

「助けてくれてありがとうございます。私の名前はロイドです」

ロイドはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

「あれは…」

土偶どぐうだ!」

「土偶は、霊的れいてき存在そんざいと思しき像も人型であればこれを含む一方、人および人型の存在以外の生物ならびに非生物は含まない。この定義に従えば、例えば動物や道具をかたどった土偶は無く、それらは土製品であり、動物形土製品、○○形土製品などと呼ばれている。ただし、やや広い別の定義では、上述したうちの非生物以外も全て土偶と呼んでおり、従って、人物土偶、動物土偶などという名称が用いられるほか、古墳こふん時代じだいに作られた埴輪はにわも埴輪土偶と呼ばれている。しかし埴輪土偶を過去の名称であると明言する資料もある。要するに、現状の土偶の定義はこの点で曖昧あいまいと言わざるを得ず、文化庁が文化財指定時に付与する名称でさえ未だに統一されていない。もっとも、動物や非生物を土偶に含めない定義が主流になって久しい。これらの定義上の土偶は、四島の各地で出土している一方、四島から遠くはなれた島嶼部とうしょぶからは発見されていない。最広義では、縄文じょうもん時代じだいや日本列島に限らず、時代と地域を問わない世界史上および世界各地における同様の考古遺物を指し、古くは新石器時代までさかのぼることができる。しかし上述の通り、狭義の用語としての土偶の曖昧さは、最広義の土偶にも反映されてしまう。なお、材質が土でなく石であれば岩偶もしくは石偶と呼び、縄文時代の出土品ではこれも多い。他方、木材による木偶は、縄文時代の出土例は無く、弥生時代以降のものが知られている。世界的には、こうした土製品は、新石器時代の農耕社会において、乳房ちぶさ臀部でんぶ誇張ぼうちょうした女性像が多いことから、通常は農作物の豊饒ほうじょういの地母ちぼしん崇拝すうはいのための人形と解釈かいしゃくされることが多い。ただし、世界史的には、狩猟しゅりょう・採集段階の時代のものとしての類例はあまりない。日本では、海外の考古学書の翻訳において、"ceramic figurine" や "terracotta" の訳語として土偶を使用することもある。縄文土器と同様、土偶も出土地域や時期によって様々な様式のものがある。現在知られている限りで日本最古級の土偶は、三重県で二箇、滋賀県しがけんで一箇が出土した縄文時代草創期後半のもの、すなわち、かゆけん井尻いじり土偶どぐうと相谷土偶である。早期には近畿きんき、関東東部にも広がっている。中期終半には、東北地方を除いてほとんど作られなくなるが、後期には東日本を中心に復興ふっこうする。九州においては、熊本を中心に後期のものが出土している。土偶は、弥生やよい時代じだいには東北地方を除いてほとんど作られなくなり、同地方でもさかんに作られたのは弥生時代前期までで、中期から衰退すいたいし、後期にはほとんど作られなくなった。出土分布は東日本にかたよっており、西日本での出土はまれである。千葉県佐倉市にある吉見よしみうてな遺跡いせきからは、六百個以上の土偶が出土している。また、全国で約一万一千個程度が資料化され、それから類推して、縄文時代につくられた土偶総数を約三千万個とする説もある。現在までに出土している土偶は大半が何らかの形で破損はそんしており、故意に壊したと思われるものも多い。特に、脚部きゃくぶの一方のみを故意に破壊はかいした例が多い。そのため、祭祀さいしなどの際に破壊し、災厄さいやくなどをはらうことを目的に作成されたという説がある。また、大半の土偶は人体を大きくデフォルメして表し、特に女性の生殖せいしょく機能きのうを強調していることから、安産・多産などを祈る意味合いがあったものと推定する説もある。その他、用途に関しては、生命の再生、神像、精霊の像、呪物じゅぶつ、お守りなど様々な説がある。子供の玩具がんぐやお守りであったとする説、破壊することで身体の悪い所の快癒かいゆを祈ったとする説、ばらばらになるまで粉砕された土偶はそれを大地にばらくことが豊穣ほうじょう祈念きねんを意味したとする説などもある。また、集落のゴミて場などに投棄とうきされた状態で出土されることが非常に多く、これは、最初から意図的に破壊して投棄することが目的であったという説を支持するものである。ほかにも、縄文人は冬期の太陽の弱まりを怖れ、土偶祭祀は冬を中心に行われたという。土偶は、人または人型の霊的存在を、こねた土で造形表現し、素焼きで焼成している。全体的には人体を模して成形されているが、頭・どう・手・足などでは抽象的表現が非常に目立つ。しかし、乳房、正中線、妊娠にんしんの腹部、女性器、臀部でんぶなど、特定の部位および状態の表現は具体的なものが多い。ほとんどの土偶は女性型であるが、北海道ほっかいどう千歳市ちとせしにあるウサクマイ遺跡群の縄文じょうもん時代じだい晩期層ばんきそうから出土した板状土偶のように、男性器の表象と考えられる突起部とっきぶ股間こかんに有するものや、体型の異なる二体の土偶が同時に出土し、片方が男性と考えられるものなど、男性型と思しき土偶も数点の発見例がある。構造については、まずは内部の空洞くうどうの有無、すなわち中空か中実かで大別し、それぞれを中空土偶、中実土偶と呼んでいる。また、人体を部位別に作ってから組み立てる構造であったかもしれないものと、そうでない普通のものがあり、前者の例としては、既知で最古級の土偶である相谷土偶を挙げることができる。動物土偶は、縄文時代後期から晩期にかけて、主に東日本から出土しており、最も数の多いいのししを始めとして、犬、さるくまむささびねずみ海豹あざらしにも見える動物、水鳥、かめ水生昆虫すいせいこんちゅうのゲンゴロウ類などがある」

「確か、学校で見たことがあるような…」

その後、ヒビキたちは美術館で芸術げいじゅつ鑑賞かんしょうをしていた。

「これ、どこかで見たことがある!」

チララは、見慣れた石像を見つけたそうだ。

 それから、

「ニュートピアで人気の観光スポットのスタジオワールドというテーマパークに行ってみたら?」

ヒビキのスマートフォンにゼルコバ博士からメールが送られてきた。

「ここは、どうやら大きなイベントが開かれたというらしい」

「そのなぞを解きに行こう」

「うん」

ヒビキたちは、スタジオワールドへと向かうのであった。

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