21.軌条の羽撃き

ガレナ 「よし! 行くぞ、前の車両に!」

ナント 「わかった‼」走る!

GM では、後輩たちは6両面に走り、先輩たちと合流したところで、レイルウェイカンの攻撃だ(ころころ) 1ゾロと8点! おい~一発外してる!

インニェラ ようでるなあ1ゾロ。

GM GMも2回だしたからね……。でも一発は命中したので一番後ろの車両はボロボロだ。あと一発食らうと壊れて脱線の可能性もあるぞ!

フロワ いくぞ、後方車両切り離し!

インニェラ 「フロワ、今よ!」

フロワ 「ええ、今切り離します!」

GM 切り離しにはかなりの力がいる。冒険者レベル+筋力Bで目標値は13!

フロワ いきます!

インニェラ いけるいける!

GM フロワは獣化したら筋力上がるけどどうする?

フロワ そのままいくぞ! (ころころ)成功!

ヤーン 頑張った!

インニェラ 猫そのままいけるねー!!!

ガレナ つよかった!

ナント えらい!

ミァンティール 素でいった。

フロワ いけるんですよ!


 フロワは、頭に叩き込んだ手順どおりに、6両目と7両目を繋ぐ連結部分を切り離した。

 切り離された2車両は、スピードを上げて迫ってきていたレイルウェイカノンに直撃。車両に搭載されていたキャノンが衝撃により暴発し、レイルウェイカノンを巻き込んで爆発を起こした。


フロワ 「やったか⁉」

GM よし‼ よく言った‼

一同 (笑!)


 あの爆発ならば無事ではいられない。全員がそう思ったかもしれない。

 しかし、もうもうと立ち込めている煙の中から、巨大な魔動機が再び顔を見せた。

 レイルウェイカノンは、炎に包まれた車両を持ち上げると、真横に放り投げ、レールへと再接続し、ふたたび列車を追跡しはじめた。


ヤーン 「やってな~~~~い‼」

インニェラ 「わお」

GM しかし、先程の足止めのおかげでレイルウェイカノンとの距離は70mまで開いた。

フロワ 「おいおい、まだ向かってくる気か」

ガレナ 「さすがは魔動機文明後期の作品……うーむ、魔域の列車などには負けないか。やるじゃないか!」

インニェラ 「いいから! コアを探すわよ!」

GM さて。ヤーンは今はまだ屋根上に居るね。君が列車の向う先を見ると、遠く100m先に切り替えポイントが有ることに気がつくだろう。

ヤーン ‼

GM 右のレールと左のレールがあり、その中央に切替用のレバーが見える。今の切り替えは右に行くように設定されているようだ。しかし、ポイントより先はどちらも深い森になっており、現段階ではどちらに行くのが正しいのか、判断が出来かねる状況だ。

ミァンティール ほーん。

GM 加えて、ヤーンのみ探索判定をどうぞ、目標値は14。

ヤーン (ころころ)11! ごめーん‼

GM うーん、解らなかったな!

ヤーン 「前‼ 切替ポイントがあるよ‼」みんな切り離しの為にテラスみたいなところに居るだろうから、大声出せば通るでしょう。

ガレナ 「切替え地点……? 道が分かれているということか」

フロワ 「ど、どうする?」

ガレナ 「魔域の中でどちらが正しい道なんて……」

GM そうだな、ではミァンティール、君は囁くような声を聞く。


【迷える者よ、道を照らしましょう】


ミァンティール ハルーラ! じゃあ、特殊神聖魔法レベル7【トレイルガイド】使用できますか?


【トレイルガルド】

 目的地に繋がっているかどうかを、道を光らせて教えてくれる特殊神聖魔法。術者が実際に訪れている場所を目的として指定する必要がある。


GM はい、遺跡を目的地として設定するなら使用OKです。行使判定どうぞ!

ミァンティール (ころころ)19! 発動したね。

ガレナ&ヤーン えらい‼

ミァンティール 「大丈夫、道なら示せます」

ガレナ 「ミァン?」


 ミァンティールはハルーラに祈りを捧げる。するとレールが青白く光り始めた。

 その光は軌条を走り、左側のレールの先へ向かっていった。


ガレナ 「……!」

ミァンティール 「選ぶべき道はハルーラの示し給う先に。後は切り開くのは任せました」

インニェラ 切り替えポイントってさ……線路側で変更するものだよな?

ガレナ 切り替えレバーを……撃つ?

GM ご明察! 撃ってもらうよ。

ガレナ ほらあ‼

ヤーン かっこよすぎない??

ナント かっこいい。

インニェラ お前がやるんだよ。

ナント うそでしょ?? 俺なの?

ヤーン 頑張ってナント君‼

フロワ やるんだよお!

GM きみの手には30mまで届く2H武器があるだろう?

インニェラ 「ナント! 装填!」

ヤーン 切替ポイントは見えるよね?

GM 切り替えポイントは見えている。あと10秒で射程範囲内に入るぞ。

インニェラ コンジャラーレベル2、ファナティシズムをナントに行使! (ころころ)成功!

ガレナ いいね!

ヤーン 「ナント! こっから2時の方角‼」目印なんかも教えられるかな?

GM 教えられるぞ。

ナント 「え? え?」

インニェラ 「ターゲットサイト! あんたが撃つのよ!」

ガレナ 「ヤーンの示した切り替え点だ!」

フロワ 「ナント、やれるな?」

ガレナ 「ミァンの導きを信じろ !さあ、頼んだぞ!」

ナント 「……わかった」頷いてガンを構える! ターゲットサイト使用!

ヤーン 「線路はまだ真直ぐ!」

GM 命中判定行きましょう。目標値は11だ

ナント (ころころ)15‼

一同 えらい‼


 切り替えポイントが迫ってくる。その距離30m。

 後からレイルウェイカノンも迫ってきている。失敗することは許されない。

 ナントは車両へ入り、窓を開けて少し身を乗り出した。ターゲットサイトを使い、切り替えレバーに狙いを定める。更に先輩から貰った支援が、彼の神経をさらに研ぎ澄ましていく。

 プレッシャーの中、ナントはゆっくりと引き金を引いた。弾丸は吸い寄せられるようにレバーへと向かっていき、見事に命中させた。

 レバーは倒れ、レールが切り替わる。列車は、光ある軌条へと進んでいく。


ナント 「当たった!」

インニェラ 「……お見事!」

フロワ 「……なんとかなったな」ナントさんの活躍です。

ガレナ 「ああ、なんとか なった」

ナント 「なんとかなって、よかった〜」

インニェラ&ミァンティール (笑!)

GM さて、列車を追うようにして、レイルウェイカノンも切り替えポイントに差し掛かったぞ。

ヤーン 「もっかいレバー狙える⁉ あいつ別方向に行くかも!」

ナント 「あっはい‼」

フロワ 「やるだけやってみるものだ、冒険者というのは」

ガレナ 「ああ、行け! お前がやれるというのなら、それはきっと成るだろう」

GM レバーはもう一度狙うことも出来る。ただしさっきとは状況が違う。離れていくレバーを狙うのはかなり難しいことだろう。目標値はLv2には高い15だ。

ナント ではもう一度トラドールを構えて、切り替えポイントを狙います。ターゲットサイト宣言!

GM こい‼

ナント (ころころ)18‼

ミァンティール おおお、持ってるわ!

ガレナ&インニェラ えらい‼

GM すげ……。

ヤーン やるじゃん‼

フロワ いや強!

ナント よかった〜〜〜!


 ナントの集中は途切れなかった。託されたトラドールを構え、引き金を引く。

 放たれた弾丸は、切り替えレバーに命中し、レールを切り替えた。


ヤーン 「やった~~~~ナント天才~~~~~~~~~‼」列車の上でばんざーい!

GM レイルウェイカノンは急に止まることが出来ず、別のルートへと走っていったぞ!

ナント 「っ、あ〜〜〜〜〜〜〜〜ったった………」は〜〜〜〜………と大きく息を吐いた。

ガレナ 「やるじゃないか! すべてを信じて切り拓いた、お前の勝ちだなナント!」

フロワ 「良し。お前は本当に……なんとかしてしまうものだなあ」

ナント 「道を示してもらったのと、力を貸してもらったおかげだよ〜」


 森の中に敷かれたレールを走っていく。程なくすると森を抜けたが、浮島と浮島の間に架けられていたレールが途中で途切れてしまっていた。

 列車は、レールのない道へとさしかかる。普通ならこのまま行けば列車は浮島から落ち、地上に落下していくだろう。


GM ガレナ、きみは汽笛がなるような音を聞く。そして、どこからともなく声が聞こえてきた。


【鉄道はどこまでも伸びる。たとえそれが空であろうが、我らのゆく道に軌条は敷かれる】


ガレナ 「大丈夫だ 俺たちが選び勝ち取った、その前に道はできる」


 ガレナの言うとおり、列車は落ちることはなかった。レールのないはずの空を、列車は走っていく。


 軌条を離れ、列車が羽撃く。


ミァンティール 道は繋がってはいるんだもんな。

ヤーン 「わ、うわ。すごーい‼」

ナント 「すっげえ……」

フロワ 「こんなことも、あるもんなんだなあ……」

ヤーン 「これミァンのレールー?」ミァンの魔法かなって思ってる。

ミァンティール 「至る道が示されたのだから、これでも道は繋がっているという事でしょうね」

インニェラ 「……そうねえ。道というものは本当にあるのかもしれないわ」

フロワ 「冒険者というのも、悪くないもんだ」

ヤーン:「すごいなぁ。いろんな所行ってきたけど、空飛ぶ列車なんて初めてだねぇ。ギーさん」列車の上で風を受けてるよ。

ミァンティール 「だからきっと、冒険者は冒険者をやめれないんだろうねぇ」悪くないもんだと聞いてふふっとわらう。

GM ………遠く、向こうの浮島に、君たちが探索していた遺跡のようなものが見える。しかし、それは遺跡と呼ぶにはあまりに新しく、煙突からは煙が立っている。もしレールを切り替えなければ、あの建物に突入していたことがわかるだろう。

ナント 音の方をみている。

ヤーン そろそろヤーンも車内に入っておくね。

GM オーケー、ではヤーンも車内に入ったよ。

フロワ 「今度ストラトフォード式の祈り方でも教えてもらおう」

ナント 「俺も」

ガレナ 「ああ、今晩にでも教えてやろう、とっておきの……鉄道神王の長~い話なんかもあるが?」

フロワ&ナント 「それはまた今度!」

ガレナ 「なんだつれないな?」

ナント 受け取ったトラドールをみて、少しだけなでる。「ありがとう」

GM 君たちが行く先には、太陽のように眩しい光が見える。列車は光の中に入る。


 列車は、魔域から飛び出し、建物内へと戻ってきた。どうやらあの光は”奈落の魔域”でたまに見られる抜け道だったようだ。

 しかし、列車は急には止まれない。列車は廊下にぶつかりながらも速度を落とすことなく走り続け、シャッターをぶち破り遺跡から飛び出した。

 激しく列車が揺れる。


ガレナ 「どっ、わ……⁉」

ミァンティール 「そうか、外に出てもう線路が無いから――!」

ナント 「これ止まるの⁉ えっ大丈夫⁉」

ガレナ 「わーっははは! 止まるには止まるだろうが俺たちの息の根も止まりそうだ!」

ナント 「えええええええええそれはシャレになんないよ‼ 誰かーーーーー! 止めてーーーーー!」


 列車は、木々をなぎ倒し、崖のほうへと突き進んでいる。このままいくと、車両は本当に空を飛ぶことになるだろう。


GM さてヤーン、君はライダーだね?

ヤーン はい。

GM この列車を緊急停止できるのはきみだけだぞ。

ヤーン 停める! 停めるよーー‼

ミァンティール 私も一緒にいこう。

フロワ 「先輩頼みます! こんな時の『それ』でしょう!」オーガモールのことね。

インニェラ まって、殴って止める想定なのか?

ガレナ 殴ってとめるのはちがくない⁉

GM 殴ってとめないで、知的にとめて。

ナント (笑)

ガレナ よかった(笑)

ヤーン GMから静止がはいった(笑)

フロワ ブレーキ硬そうだからつっかえにしてくれんかと思ってぇ!

ガレナ なるほどね……⁉ 知的だった。

GM (笑)そういうことね! じゃあオーガモールを支えにするなら判定に+1してもいいことにしよう。

ヤーン する‼

GM オーケー、ではヤーンとミァンティールは全力で運転席へと走る。

ヤーン うおわーーーーー。

GM 列車を止めるならば、ライダー技能+器用Bだ。目標値は16、いけるかい?

ヤーン 頑張るしかなかろう‼

ミァンティール 神聖魔法レベル6【ブレス】行使します。上昇能力値は器用で! (ころころ)成功!

GM いいね、かかったよ!

ヤーン ハルーラ様―――――!

GM さて、緊急停止だ。ヤーン、きみの手腕にかかっているぞ。

ヤーン 大事なオーガモールをつっかえにして。「……ごめん。頼むな」(ころころ)16‼ ありがとうミァン!


 オーガモールをブレーキのつっかえにし、ヤーンは制御が聞きづらい操縦桿を必死に握る。大きく揺れる車体、ギャリギャリという、金属同士がこすれる音がする。


ヤーン 「とーまーれーーーーー‼」

インニェラ 「おっと」

ガレナ 「皆どこかに! つかまれ!」手の届く範囲の周囲のものたちをかき集める。

ナント 「うわわわわ」しっかりと捕まる。

フロワ 「どこかにってどこにーーーーー‼」

ガレナ 「どこでもいい‼」フロワをガッシと確保する‼

インニェラ かわいい。それはフロワのしっぽよ。

フロワ 「キャン」

ミァンティール とりあえず車体の握れるとこにぎって身体支えようね。


―――運転席が若干飛び出す形で、列車は止まった。


インニェラ 若干でましたわね。

GM ギリギリ成功だったからね。

インニェラ 「………どう? セーフ?」

ナント 「……と、とまった……?」

ガレナ 「とま……った……ようだな?」

フロワ 「……はあ。死ぬかと思った」

ガレナ 「ふっはは、あはは! とんだ大冒険をしてしまった! 皆、怪我はないか? どこも打ったりしていないだろうな?」

ミァンティール 「今の内に外に」って感じかな、ずっとこのままは危険かもだし。

ヤーン うん。ボクらが一番危ない位置だからすぐに出る………。

インニェラ 「……よし!ひっくり返る前に出ましょ、ほら」新米ズを助け起こして外に出る。

ナント 「あっはい! でよう、出よう!」

ガレナ 「ああ、すぐに出よう フロワ 立てるか?」

フロワ 「ああ、大丈夫…」シッポはへたってるが

GM 君たちは崖から少しはみ出した列車から脱出した。あと、列車内に剣のかけらが7つほど転がってるので回収していくといいよ。

ミァンティール 剣のかけら回収してこうねぇ

インニェラ しといて~

ヤーン ちょっと折れただろうオーガモールの欠片もちゃんと持って運転車両から皆の所に走ってくるよ。「みんな―――――無事ーーーーーー??」

ナント ブジーーーー! といいながら手をふる。

ガレナ 「ヤーン! 見事だったな。お前、列車も操縦できたのか!」

ヤーン 「講習覚えててよかったよー。それでもぎりぎりだった~無事でよかった‼」

フロワ 「ライダーなら一応魔導機の講習もあるからなあ。見事でした先輩。」

インニェラ 「やー、しかし……空飛ぶ列車は初めて見たわ。楽しかったわね」

ミァンティール 「流石に、中々ない経験でしたね」

ガレナ 「俺も初めて乗った。道の無い道を進むというのは、こうした心地だったのだな」

フロワ 「おお、一生分の運の何割使った事か」

ナント 「わかる」

インニェラ 「……さ、疲れてるところ悪いけどもうひと頑張りよ。冒険者の不文律だなんだと言ったって本当に大事なことは……生きて帰ることですからね」

ミァンティール 「全くです、命あっての物種ですからね」インニェラに同意。

ガレナ 「それはそうだ、せっかく道を作ってまで繋いできた命を ここで止めるわけにはいかないからな」

フロワ 「ああ、帰って報告するのが楽しみだよ」

ナント 「帰ろ、帰ろ、みんな無事でよかった〜〜〜〜〜」

ガレナ 「さ、ナント。アイゼンさんにどこから報告してやろうか? 一緒に考えながら帰るぞ!」

ナント 「うん!」


 こうして、君たちの遺跡探索は幕を閉じたのだった。

 ―――遺跡の中に残された”奈落の魔域”から、列車が軌条を走る音が響いた。

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