三章 革命前夜、茨の黒魔女への挑戦 その7
最初に仕掛けたのはマリンだった。
「
火の玉が清子に向かって解き放たれた。それでも清子は冷静だった。
(戴冠式の時より火の魔法が上がってる…マリン・ミンキス、努力家ね。)
「
清子の杖先から細長い水の光線が解き放たれた。強力な水流は火の玉を貫き打ち消した。
ぷしゅうう! 水がマリンに直撃する。
「ぎゃっ! 冷たっ!」
マリンはそう言いながら空中で一回転してから後ろに倒れた。
(清子は水の魔法はあまりしないから苦手なのかと…ちくしょお!)
続いて動いたのはフェリシアだった。
「
そう唱えながら、緑が似合う彼女は大きくゆっくり杖を一振りした。すると無数の蝶々が現れて清子を囲んだ。清子は少し笑顔になりながら冷静だった。
(フェリシア・グリーン、綺麗な魔法ね。だけどちゃんと攻撃意志がある。入学したばっかと比べて、強くなったのね。同期の成長は素直に嬉しい。)
「
清子は杖に魔力を込めながら一回転すると渦のように蜂の群れが出現して、蝶の群れを無へと打ち消した。蜂の群れは空に舞い上がった。対する三人の魔女を寒気が襲う。
(((まっ、まさか!)))
「お三方〜。防がなきゃいけないんじゃない? もしかしてやり方忘れたの〜?」
清子は煽るとビュンッと勢いよく杖を下に振りかざす。蜂の群れは針を前に向けた状態でファブリ達に向かって急降下する。三人は慌てて
それでもファブリは牙を向ける。
「ハァ…フー……ぐうう!
ファブリの杖から水が溢れ出る。
「
ロングドレスを着た長身の女性の形をした水の塊がファブリの前に現れた。清子は冷静だった。
(魔術の精密さを見事に活かしている。ファブリ・メイプル、意志の強さは二人を引っ張る見事な動力源で魔法に対しても上手く活かされている。)
清子がそう考えていると、ファブリが声をあげる。
「包まれろー!」
水でできた女神は清子に向かって飛んでいった。清子の杖先をバチバチ火花が走る。
「ごめんなさい。私基本残忍で容赦ないの。」
清子の杖に火が宿り、まっすぐ標的に向かってロックオンされた。
「
清子の杖から莫大な炎が一気に放出された。さながら特大の火炎放射器だ。ぷしゃああっとあっという間にファブリの
「れ、連携よ!」
「「うん!」」
「「「
三人の妖精はそれぞれの色にあった光線を炎に向かって解き放った。
ボボホ! ギギギ!
しかし押し返すことは不可能だった。
「「「きゃああああ!」」」
炎は三人を包み込み炸裂する。
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