第31話 伊藤計劃『虐殺器官』
あらすじ
9・11以降の、“テロとの戦い"は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……
彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官"とは?
ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。
Amazonより
感想
世界SFの最先端。
啓発された虐殺行為。
生存のための大量殺人。
虐殺の文法。
9・11以降の時代を真正面から見据えた近未来の戦争を描いた作品だが、リアリティある迫真のディテールが、私を鷲掴みにした。
戦闘シーンが生々しく、人間の心がぶっ壊れていく過程にゾッとした。
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