イカれたこの世界に生きるとは
サンライズ
イカれた世界に住む不幸な娘~仮称:フェラントル~
この世界には一つの風習がありました
それは生まれてきた子供に魔法石の原石を渡すことです
魔法石は魔法を使うのに必要な媒体となった
半透明で色や輝き大きさ、中の模様がそれぞれ違い
成長に合わせてそれぞれ違った見た目になります
その色によって使える魔法が異なりました
・・・無理をすればほかの魔法も使えますが
模様が異なると同じ魔法を使ってもそれぞれ威力も大きさも何もかも違いました
色は天性であることが多くあとから変わることは少ないそうです
この世界は魔法を高度に発展させて様々なことが自動化されている世界でした
そんな世界のとある街に生まれた娘について見ていこう
その娘少しでもきれいに見せたくて大人に言われるがまま魔法石を磨き続けました
一生懸命磨き大人に見せると褒めてくれますそれがうれしくて更に磨きました
しかし大人たちはいつも力のない笑みを浮かべてました
帰る時間も遅く娘が起きてから帰ってくることも少なくありませんでした
大人たちがいない間も娘は磨くことをやめませんせでした
ある年娘は同年代の友達と街を歩いてると一人の少年に三人がかりで罵声を浴びせている所を見かけました
どうやらその少年は他の子達の魔法石と比べて少しへんでしかも大人達に言われたように磨いていないようですそれを理由に虐められているようです
娘もちゃんと磨かないなんてイケナイ子だきっと怖い子に違いない
そう思って娘は彼にあまり近づかないようにしました
そして又幾年か経ち遂に娘は大人へと仲間入りしました
それに伴い彼女も社会で働きます
わくわくして決められた場所につくとそこには
薄いオレンジ色の液体で満たされた幾つもの大きなガラス管が並んでいました
中には街の大人たちが入っていて魔法石を抱えるようにして持って何事かをつぶやき続けていました
よく聞くとそれが召喚魔法だと分かりました異界からエネルギー体を召喚しているようです
しかし中には明らかに魔法石の色が召喚魔法に向いてない人もいました
そんな中彼女はある事に気付きました
それは全員色を除いて殆ど同じ形同じ模様なのです
自分の首にかけている魔法石を見てみるとやはり同じような模様同じような形でした
彼女はこれが大人ということかと気付きました
よし、と気合を入れた彼女は先程渡された手元にある街の人たちそれぞれのエネルギーの召喚量を表にした図を見て一位の男性のように頑張ろうと心にきめました
そして彼女も又大きなガラス管へと入り薄いオレンジの液体が満たされるのを待ち召喚魔法の詠唱を始めるのでした
その横にはいきなり力なく倒れた人がいましたその人は召喚量一位の男性でした
彼は一か月の残業時間が100時間を超えても尚召喚をし続けられる所謂エキスパートでした
そんな彼がいなくなった分新人達はより多くの時間を召喚に裂きました
それから数年がたったころ仕事帰りの朝日は眩しいと思いながら歩いていると反対側から同世代と思しき男性が歩いてきました
彼は何人かの仲間と楽しげに談笑しています
彼も彼女に気づいたようで手を振ってきました彼女は手を振り返そうと力なく手を持ち上げようとした瞬間体から力が抜けて床が迫ってきました
目が覚めると病院にいました横を見ると先程の彼が眠っていました
そこに丁度医者がきて彼女が目を覚ました事に気付きました
医者に何時かと慌てて聞き医者に仕事なら休んでもらうと言われ絶望しました
上司が怒る仲間に迷惑がかかる様々なことが脳内をよぎりました
しかしそれに気づいていないのかわざと無視しているのか医者は話を続けました
彼が昔3人の子供たちに虐められていた少年であること
その後個性溢れた魔法石ならではの仕事を立ち上げ会社の社長になっていた事
だからお金に余裕があると言って予めある程度払ってくれたので気にするな等様々な事を教えてくれました
彼女は彼を避けていたのに彼は大人たちの言うとおりにしなかったのに自分よりいい生活をしている自分は今まで何をしてきたんだ
そんなことを思いながら彼女はうずくまってしまいました
その時に気づいてしまったのです大人たちと自分の魔法石が色以外殆ど同じなのは大人の証ではなく型に嵌められたただ量産品である事に
そのあと彼女は物事全てをマイナスにとらえるようになってしまいました
数日後彼女が病室で天井からぶら下がって冷たくなっている所が見つかりました
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