五本目 丑の刻参り

 私、先が尖ったものが駄目なの。

包丁とかは大丈夫だけど錐や縫い針なんかは駄目。

だって釘を思い出してしまうから。

 想像してみて。

何もいていいはずがない真っ暗闇にこーん、こーん、と鹿威しみたいな音が響く。

呪い殺すほど怨んでるのに昂りもなく規則的に。

ふと手を止めたそいつがこちらを振り返ると闇に浮かんだ顔の陰影だけは分かってしまったの。

生きながらにして根付いた死者の面。

私の見たもの。

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