モンブラン

「ごめん」「ごめん」

か細い彼の手が

優しく私の腕に触れる

彼の優しさがそこはかとなく伝わる

柔い男に包まれたい気持ちで充満する

感触が記憶され

手の指先の

ほんのわずかに触れた感覚が

折り重なる

ふわふわと幾重にも身体を重ね

私は甘美を帯び漂わす

柔らかな餡はいつのまにか

私を覆いかぶし

私は甘いモンブランと化す

触れれば壊れてしまいそうな柔らかな彼が

私を柔らかに包み込む

私は甘い甘美な味と香りで

一つの大人の味となった

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