第24話番外編 一方残されたドバン
「残りの
ドワルフの活躍によって残った魔物は少なくしかも負傷状態であったため俺が1人で受け持つ事にした。
「それにしてもあのエルフとの混血が助けに来るなんてな。俺たちあんな酷いことを言ったのに……」
「そうだな。いくらエルフとの混血だからって言い過ぎちまった。それにドーコについてもだ」
「いやドーコに関しては長の面子があったのもあるだろう。それにしてもこの事を、この窮地を脱してくれた事を俺たちは村の皆に伝える必要がある。そのためにもお前達は早く怪我人の手当てを少しでもしてやってくれ。あとはこの俺
といってもほとんどは惨状の確認といったところだが。重症のドワーフに歩けるドワーフが肩を貸しながら村の方へと順調に運んでいく。
「あーそうだ。ドーコのためにポーションがいるから1つだけとっておいてくれ」
「あいよ」
ここでポーションを全部使い切りましたなんて事になったら俺はドワルフに顔向け出来ねぇ。
「それとすぐ直せる様に長の奥さんに頼んでドーコを迎えに行ってくれ。多分すぐ治したい筈だ」
「それもそうだな」
それにしても酷い有り様だな。別に素材なんてこの際どうでもいいんだが、角までスッパリ切れてやがる。どんな勢いの竜巻だったんだ。肉も殆どがミンチになってる。並の魔術師や魔法使いでもこうはならないだろうな。
さっさと近くにいる弱りきった残党を倒し、まだ元気なドワーフに交代して長の元へと向かう。
「長! もう近くは大丈夫だ。問題はドワルフが
「ドワルフとドーコが作ったと言うマジックアイテムが窮地を救ったと言うのは本当かドバン」
「あー本当だ。なんなら村の外を少しでも見ればわかるよ」
「よしではワシも見にいくことにしよう」
一刻も早くドワルフとドーコの待遇改善を要求したかったが、見てもらうのが1番早いだろう。
★ ★ ★
「こっこれをたった1人でやったと言うのか?」
「1人じゃないぜ。ドワルフと長の娘ドーコの合作マジックアイテムの効果らしい。あとはたった一振りでこの威力だ」
「実際にこの魔物の死体を見た今でも信じられん……」
「だったらほらドワルフの配信フォローして戦い振りでも見て待っていてくださいよ」
他について来たドワーフも信じられないと言った表情だ。俺もあの時見ていなかったら信じてなかったかもしれない。
「それでドワルフとドーコの処遇についてですが、どうするんです? ここまでの戦果を上げたのに、マジックアイテム製作など無理だと、エルフの力を借りるなどドワーフの恥と言って愛娘を追放しましたが、どうするおつもりで?」
「むむむぅ。とにかく認めざるを得ないな。ドワルフについてもそうだな。エルフとの混血と言って追放したが、我らとて村の崩壊を防いでくれた恩を無碍にしてはドワーフの名折れ」
「と言うことは2人の追放は!?」
「詳しくは無事にドワルフが帰って来てからの宴会で話すことにする。ドーコも呪いから癒えればエールが飲みたくなるだろう」
よかったこれで長を説得出来なければ俺はドワルフに顔向け出来ないところだった。そういえばドワルフはアギリゴの実を取りに行くのに、袋を持っていってなかったな。袋を持って沢山のアギリゴの実を俺が持って帰るとするか。
★ ★ ★
森の中も凄惨な物だった。ありとあらゆる物の形が変わっていた。あの大斧を振り回していたんだろう。ここまでになってくると魔物が可哀想と言った気持ちにすらなるが、それほどまでにドーコを救いたいと言う気持ちが強いんだろう。
途中魔物と会うことは殆どなくアギリゴの実を拾いながらドワルフの元へと向かっていく。どんどんと魔素が濃くなっているのを感じるこれはもしかしてただの
嫌な予感がと胸騒ぎがするのでアギリゴの実はとりあえず置いておいて早く参戦できる様に決意を固める。
そして次の進化
それに
死ぬことは怖いがそれ以上になんの力にもなれずドワルフを見殺しにすることの方が怖かった。最悪俺が犠牲になって、鞄をドワルフに渡して逃げて貰えばそれでも良い。その覚悟はもう出来ている。
無事でいてくれドワルフ!!!
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