初恋

詩川貴彦

第1話 「初恋」

「初恋」


眩しいと思っています

それから

苦しいと思っています


露草の青だと思っています

六月の風だと思っています

黄昏れていく空だと思っています

梅雨色の雲だと思っています


それでも雲の切れ間から

黄金色の光が射すような

そんな景色が忘れられずに

立ちつくすだけなのです


僕だけの苦しさだとわかっています

それでも

愛しいと思っています

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