第12話

「ここが町長の家じゃ」

なかなか立派な石造りの家だったが、そこの壁にも落書きやへこみがあった。

「町長はおるかの」

「なんだ、婆さんか」


家の中から出てきたのは50代くらいの恰幅のいい親父だった。

指には金の指輪をはめている。

昼間から飲んでいたのか酒臭い息で、言葉を続けた。

「んん、なんだ変なの連れてきて」

「お前さんが当てにならないから外国から勇者様を呼んできたんじゃ」

「勇者様ねぇ」

親父は無遠慮な視線でジロジロと3人を見定めていた。

「まぁ、立ち話もなんだ。入っていいぞ」

3人は遠慮がちに町長の家へと入っていった。

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