第1536話 【エピローグオブ人工島デルタウェア建造・その3】チーム莉子、いつ振りか分からないダンジョン探索へ ~尺に優しい、仕上がった後の最強部隊~

 翌日。

 スカレグラーナにチーム莉子のメンバーが集結していた。

 ちゃんとみんな探索員装備でダンジョン攻略のいろはを忘れてはいなかった。


「クララ先輩! 聞いてください!!」

「にゃんだろにゃー?」



「なんか装備が緩くなったみたいで!! 特にショートパンツ!! もう少しピッチリしてたと思うんですけど! もしかしてわたし、痩せました!?」

「まずいぞな。スカレグラーナの火山が全部、一斉に噴火するかもしれんにゃー」


 莉子ちゃん、ついに初期ロットよりもスリムになる。

 これが覚醒ハイパーアルティメットメインヒロインである。



 お忘れの方のためのチーム莉子の装備。


 莉子ちゃん。

 赤と黒がパーソナルカラー。ノースリーブのジャケットとショートパンツ。

 ショートパンツちゃんは三代目。初代と二代目は死んだ。

 クララパイセン。

 最終決戦バージョンはチアコスだったが、それはもう捨てた。

 初期ロットのスカートタイプの装備に。スパッツもちゃんと着用。


 芽衣ちゃま。

 緑がパーソナルカラー。

 莉子ちゃんの装備と基本は同じだがフリフリしている。

 小鳩さん。

 「どうして任務でお肌を過剰に晒さなければならないんですの?」と言っていた頃から変わらず白い鎧をきっちり着こなす。

 ただし胸のプレートなどをパージするとぽよんぽよんの黒いインナーになってサービス感がアップする。


 ノアちゃん。

 浴衣装備。半袖にミニ丈という防御力を無視して見た目に極振りしたもの。

 インナーはブルマでここは絶対に譲れないとは本人談。


 瑠香にゃん。

 競泳水着に兵装が色々。


「………………………………?」



 ちなみに瑠香にゃんはダンジョン探索、今回がデビュー戦です。

 もうエピローグだというのに。



 そして引率者は我らが主人公。

 漆黒の防具に黒いマント。金の刺繍で輝く「莉子!!」の文字。

 よく見ると「莉子ぉ! 愛してるよ!!」に文字が変わっているが、些事である。


 いずれも一騎当千の猛者であるが、ダンジョン探索はスキル使いとしての優劣よりも正しい連携とスムーズな指揮系統が求められる。

 これはもう説明するまでもなく、初期ロットの時点で最強だった六駆くんが散々苦労して来た歴史が証明してくれている。


「サーベイランス起動させますねー。南雲さーん。逆神ですけどー」

『こちら南雲。通信感度良好だね。ちなみに山根くんはさ、今日だけは休まないでよ。忙しいんだからって言ったのに妊活休暇取ったよ。上官って嫌な仕事だよね。部下の休暇取る権利には何も言えないけど、忙しさだけは背負い込まなきゃいけないんだもん』


「それじゃ、こちらが現場です。見えてます?」

『あ。特に私に関してはコメントないんだ。うん。見えてるよ』


 帝竜人バルナルド様がダンジョン入口に施していた封印を解除する。


「ゆめゆめ気を付けることだ。獰猛なモンスターが封印を解いた瞬間に飛び出して来るだろう」

「グルァアアァァァァァァァイ!!」


「にゃはー!! それ封印解く前に言うヤツですにゃー!! 瑠香にゃーん!!」

「はい。ぽこますたぁ。瑠香にゃんパンチで粉砕します。……粉々になりました」


 開幕、モンスターたちの大歓迎。

 次から次へと「おっ! 入口が空いたやんけ!!」と飛び出して来ては、瑠香にゃんに粉砕されていく。


「ところでバルナルドさん」

「卿。逆神六駆。余も封印を解くタイミングがアレだった事を認め、反省しておるところだが。加勢もせずに何を問う?」


「このダンジョンの名前がいるんですよ。本部に登録しなきゃなので」

「この火山はファラエンド。であれば、ファラエンドダンジョンで良いのではないか?」



「らしいですよ! 南雲さん!! もう面倒なんで瑠香にゃん砲で大穴あけてもらいます!? ラストエンドロールダンジョンに!!」

『ヤメて!? イドクロアの情報探しからやり直しになる! あとファラエンドダンジョンでしょ!? もう最後のダンジョンだからっておざなりに名前付けるのもヤメよう!?』


 こちら、ファラエンドダンジョンです。



 莉子ちゃんが『苺光閃いちごこうせん』を拳に纏わせてから放出。

 これはかなり久しぶりに見る『苺光剣いちごこうけん』である。

 ちなみにそのまま殴ると瑠奈ちゃん(未来)の得意技になる。


「それじゃ、ここからはわたしが先頭で行くね! 瑠香にゃんちゃん、ご苦労様!!」

「はい。プリンセスマスター。ステータス『これで出番が終わりますように』を獲得しました。おっぱいに格納します」


 リーダーが今回のダンジョン探索、その目的を端的に纏めた。


「目標は鉱石らしいので、モンスターから採れるイドクロアは無視します!!」

「えっ!?」


「もぉぉ! 六駆くんってばぁ! じゃあモンスターの死骸からイドクロアを回収しながらついて来てね! わたしたち、どんどん進むから!!」

「うわぁ! 小遣い稼ぎができるぞ!! さすが莉子!! 理想の嫁!! 可愛い!!」


 これまでの流れならば「もぉぉぉぉ!!」と照れてから煌気オーラのお漏らしでダンジョン崩壊までがワンセットだったが、莉子ちゃんは「えへへへへへへ」と笑うだけ。

 諸君。これがメインヒロインの最終ロット。目に焼き付けよ。


「先頭にわたしと芽衣ちゃん! 中衛を小鳩さんとノアちゃん! 後衛はクララ先輩! 瑠香にゃんちゃんは目的のイドクロアっぽい反応を探って、見つけたら報告お願い! 六駆くんははぐれないようにしてね!!」


 頼りにしかならない莉子ちゃんの後ろ姿を見て小鳩さんが涙を流す。


「人殺助さんとの最終決戦でもこんなに頼りにはなりませんでしたわよ……。わたくし、涙で前が見えませんわ……」

「みみみみっ! 莉子さんが煌気オーラ出力の調整も完璧です! 近くにいても危険が危なくないです!! みみぃ!! 感動です!! みっ!!」


 とてもすごく大変な苦労をさせられてきたメンバーの筆頭2人が感動しながら、チーム莉子はファラエンドダンジョンへと突入した。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 南雲さんの索敵によるとファラエンドダンジョンの危険度はSとかなり高い。

 第1層の段階で見るからに強そうなモンスターが莉子ちゃんの煌気オーラを見ても臆することなく襲って来ることからもそれは明らか。



 諸君。

 第1層とかいう表現を見るだけで泣きそうになるのは何故か。



 芽衣ちゃんと小鳩さんも莉子ちゃんが討ち漏らした、というよりは敢えて後続に任せるよう逃がしたモンスターを始末していく。

 ノアちゃんは『ホール』しか使えないので、とりあえず戦力外。ふんすふんすと鳴いて興奮中。


「瑠香にゃんセンサーは反応しとるかにゃー?」

「端的モード。このぽこ野郎。おっぱいに触るな。感度がおかしくなる。……ステータス『なんか今、瑠香にゃんおっぱいで感じてるみたいになった』を獲得しました。瑠香にゃんセンサーの感度です」


 説明しよう。

 瑠香にゃんセンサーとは。

 昨夜新たに瑠香にゃんサーチの機能として組み込まれたオプションである。

 「推定されるイドクロアに近い数値」を感知すると「ぽーん」と瑠香にゃんナビが開始される。


 シミリート技師が2時間でやってくれました。


 それから第2層、3層、4層とどんどん潜っていくチーム莉子。

 途中で休憩を挟みながらやって来た第13層。


「ぽーん。プリンセスマスター。目的のものかもしれない反応があります。前方50メートル先です」

「ふぇぇ。なんかおっきい竜がいるけど……」


 彼女たちの視線の先には体の大半が鉱石で形成されている古龍がいた。


 スカレグラーナといえば古龍。

 トリオ・ザ・ドラゴン以外にもまだ眠っている古龍がいたらしい。


 次回。

 ひと狩り行こうぜ。

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