第1487話 【エピローグオブぶーっはははは・その4】【速報】逆神大吾、理事就任前に失職!! ~これでまた南雲さん回が増えるね!!~

 南雲上級監察官室では。


「ああ……。もうむちゃくちゃだ……。各国の探索員協会にネオ国協の人事内定書類を回した後だって言うのにさ……。しかも、逆神っていうビッグネームはもうね、現世どころか異世界でも知らない人の方が少ないのに……。その逆神がやらかしてくれてる……」


 頭を抱えた南雲さんがいた。


「うふふふふふふ! だから言ったじゃないですか!! アレを理事にするんですかって!! 僕!! 南雲さんが頭おかしい決断キメた時に!!」

「くそぅ!! 逆神家はいつもこうだ!! 君のお父さんとひいおじいさんのやった事なんだぞ!! 責任取って、君が理事やりなさいよ!!」



「だから僕、責任感じて南雲さんの噴いたコーヒーを『吸引スポイル』でお掃除してあげたじゃないですか!!」

「うん! それに関してはありがとう!! 山根くんは妊活休暇でいないし!! 私が独りだったら、独りスプラッシュからの独りダスキンお掃除タイムで虚しさ爆発バーストだったよ……」


 最近山根くんの霊圧が消えがちなのは、グランドフィナーレに備えての事なのか。

 それはちょっと分からない。



 六駆くんが黒い汁の塊を流し台の上で垂れ流してから、隣にある仮想戦闘空間へと向かった。

 いつも生えているお馴染みの門に手を当てる。


「さあ! 南雲さん!! 転移イケますよ!! 僕もついて行ってあげますから!! 本当はコーヒー飲んで暇つぶしするだけのつもりだったのになぁ。嫌ですけど、居合わせたのでお付き合いしますよ!!」

「くそぅ!! なんでここまで他人事なんだ!! 君んとこの家族の話なのに!!」


「えっ!? 南雲さん!? まさか令和のご時世に連座とか言い出すつもりですか!?」

「くそぅ!! 最近の君は実に小賢しいなぁ!! 大学なんて辞めちゃえばいいのに!! 椎名くんを見習ってさぁ!!」


 南雲さんが白衣姿のまま輝く門の中へ消えていく。

 六駆くんもジャケットを片手に続いた。


 連座とは、家族などの犯した罪を当人は何もしてねぇにもかかわらず一部ないし全て請け負う、あるいは道連れにされる法である。連座と呼ぶ場合は公職選挙法の罰則が出てきてややこしい事になるので注意しよう。

 また、江戸時代までは親族のやらかしは縁座と呼ばれ、連座は主従関係、例えば仕えている殿がうっかりをキメちまった場合に家老も一緒にしょっ引かれる場合などと、区別して扱われていた。


 六駆&南雲が何の説明もなく去って行ったので、捕捉である。



 あと、クララパイセンは大学生していないだけで、大学生である。

 辞めてはいない。


 捕捉である。



 では、みんな大好きバルリテロリ皇宮へと我々も向かおう。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 バルリテロリ皇宮では。


「六駆ぅ!! 聞いてくれよ!! このじいさんがひでぇんだよ!!」

「ひ孫ォ!! お前の親父、あったまおかしいで!! どうにかしてくれや!!」

「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

「逆神くぅぅぅん! 気持ちは分かる! 分かるけど! ふぅぅぅんはヤメてぇぇ!!」



 むちゃくちゃであった。



 まず大吾が「じじいに煽られて攻撃しただけ。オレは全然悪くないのに文句言われてあったまきた」と供述。

 返す刀で喜三太陛下、「ワシが被害者や!! こんなん目の前におったら誰でも腹立ってくるやろ!!」とほとんど似たような供述。


 六駆くんは「もうどっちが悪いでも良いよ。僕にとってはどっちの存在も目くそ鼻くそだよ」と吐き捨てて煌気オーラチャージのふぅぅぅんに入って、南雲さんが今月も厳しいのに生活費に手を付けてギャンブルをキメようとしている旦那に縋りついて「ヤメてぇ! あなたぁ!!」と泣く嫁さんみたいになった。


 六駆くんと南雲さんが到着してからわずか15秒の出来事である。


「ほっほっほ」

「もぉー。またお父さんとひいおじいちゃんが喧嘩してる!! ヤメなさいって言ってるのにぃ!!」


 そこに電脳ラボから駆け付けた四郎じいちゃんと莉子ちゃんも合流。


「オタマー。彼ピが美味しかったって! 桜餅!」

「はい。六宇様。それは結構でした」


「また作ってって言ってた! 食堂のおばさんに伝えといてよー」

「はい。六宇様。違います」


「なにが!?」

「私も桜餅作りに参加しましたので、今の段階で次回のオーダーは済みました」


 六宇ちゃんは彼ぴっぴが桜餅を食べてくれて、莉子ちゃんは12個も食べてくれて、なんか嬉しかったと報告。

 対してオタマさんは「花嫁修業の一環でございます。最近は私も食堂の厨房に入ってお料理の練習をしております」と告白。



 クイントの野郎。

 一回り以上も年下で仕事がデキて、美人でおっぱいデカいオタマさんに「料理上手」という属性までゲットさせようというのか。


 実に許せねぇ事案である。



「……逆神くん?」

「分かりましたよ。南雲さんの気が済むようにしてください」


「からの?」

「僕は南雲さんのやった後にやりますからね!!」


「くそぅ!! どっちみち仕事が増えるよ!! 瑠奈! 京一郎!! 京華さん!! パパ、今日も残業だよ!! 寝顔じゃない3人と団らんしたいなぁ!!」


 未来では割とたっぷり団らんしていたのだが、記憶を消された気の毒な南雲さん。

 さあ、今はとにかく、このとっ散らかった場を収めよう。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 仁香さんがハッキリと「私はこの目で見た事をノーとは言えません」と宣誓。

 この時点で、大吾のネオ国協理事の内定取り消しが確定する。

 探索員憲章にもある「スキルの使用における項目」の第一条「社会通念上の常識を逸脱したスキルの私的利用」にガッツリ抵触したため。


「なんでだよぉぉぉ!! オレ悪くねぇじゃん!! なぁ!? 六駆ぅ!!」

「あ。うん。逆神くんの好きにしていいよ」


 六駆くんが大吾の襟首掴んで皇宮から出て行って数秒。

 「おぎゃああああああああああああ」という断末魔なのか産声なのか分からないけど、我々は断末魔だと知っている叫びが聞こえて来た。


 続いて喜三太陛下。


「は、白衣!! 今日も、お前、それ、な!! よく似合っとるでな!!」

「喜三太さんはちょっと扱いに困るんですよね。確かにバルリテロリは私の管轄ですけど、その前に久坂五十五Aランク探索員と逆神四郎特別駐在武官が当地にいたので。四郎さんのご意見は?」



「ぺっ」

「あ。はい。ありがとうございました」


 四郎じいちゃんの判定はギルティ。



 だが、そこに待ったをかけたのは意外な人物であった。


「おじいちゃん! ひいおじいちゃんを許してあげるのってダメかなぁ?」


 我らがメインヒロイン。

 莉子ちゃんである。

 さすがは愛しさと優しさと心強さの使徒。


「……ぬぅ。確かに、莉子ちゃんが止めるのも分かりますじゃて。ワシは公平な判断ができおりませんの」

「テレホマン!! ロリ子に草餅持って来てやってくれ!!」


「あ。大丈夫です」

「おいぃぃ!! 絶対に持って来るなよ!! 大丈夫って言うとるからぁぁぁ!!」


 莉子ちゃんの言うことにゃ。


「ひいおじいちゃんをここで捌いちゃったら、六宇さんとかオタマさんの生活が変わっちゃうでしょ? オタマさんはもうすぐ結婚の予定あるし、六宇さんは高校卒業目指して頑張ってるんだもん。それまでは処分保留っていうのはどうかな?」

「ロリ子? ロリ子ぉー? 捌くってなに? 裁くやろ? ロリ子やーい? 怖いこと言うなや、マジでー」


 六駆くんが戻って来た。

 とても満足そうな、スッキリとした表情で。


 そう。

 莉子ちゃんが最終的な決断を下す時には絶対この最強の男がどこかで介入する。

 何故ならば、莉子ちゃんは亭主関白な家庭に憧れているから。


「んー。そうだねー」

「ひ、ひ孫ぉ!! 草餅食べるけ!?」


「あ、良いんですか? ちょうど小腹空いてたんですよ!」

「テレホマァァァァァン!! 草餅!! 草餅持って来てくれぇぇぇ!! 皿なんてけち臭いこと言わんと! 丼に入れて持って来てくれぇぇぇぇ!!」


 次回。

 バルリテロリの未来はどっちだ。


 喜三太陛下は陛下をヤメへんで。

 バルリテロリは永遠なんや。


 デュエルスタンバイ。

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