第1472話 【エピローグオブ南雲のバックトゥザフューチャーパート2・その9】南雲修一(過去)VS逆神大吾(未来)

 人工島ストウェア。

 川端さんにとっても思い出深い場所であり、私情を抜きにしても逆神大吾(未来)から奪還して人工島デルタウェアと共に運用できればネオ国協のさらなる発展に寄与すること間違いないと思われた。


 ゆえに川端総理事が南雲さんに頭を下げる。


「今の、貴方が生きたはずの未来を預かるネオ国際探索員協会・ちちの代表として申し上げます。おっぱいの代表として」

「あ。はい。あの、妻と子供がいるので乳を強調しなくても大丈夫です。はい」


おっぱい総理事として貴方に依頼させてください。人工島ストウェアの奪還を」

「……承りました」


 おっぱい総理事から正式な依頼を受けた南雲さん。

 ならばと、父親の両サイドに立つのはもちろん子供たち。


「じゃあ、あたしも行く!! 止めても無駄だからね!!」

「もちろん、ぼくもお供します。お父さんの命令でも待機は嫌です」

「瑠奈……! 京一郎……!!」



「おっぱい問題は、この時代を生きる! あたしたちの問題だから!!」

「そうです!! そして次代のおっぱいへと、未来を引き継ぐために!!」


 子供たちがクライマックスっぽいセリフを言ってくれてとても頼もしかったし嬉しかった南雲さんは、うっかり川端さんに「もうおっぱいと一緒にこの島降りてもらえませんか?」と口を滑らせそうになった。

 危なかった。おっぱいに罪などないというのに。



「ぽーん。瑠香にゃんネットワークが機能しました。ステータス『RNネットワークって名前の方がカッコいい』を獲得しましたが、『TМ NETWORK』ファンに怒られそうなのでこれは観葉植物の隣に植えます。ボクマスター。座標をどうぞ」

「ふんすー!! ややっ!! 大吾先輩、これは考えましたね!! 異空間にストウェアの頭を突っ込んでます!! こんな事されたらどんな索敵も回避できる大興奮プレイです!! ボクが穴ちゃんを使って通信する時に、異空間に頭ぶっこんで現世にお尻を残してるイメージですよ!! 観測者先輩方!!」


 有能さが過去の時代から変わらないメカ猫とボクっ子によって、ストウェアの座標を捕捉。


「すまん、修一。私もお前と供に向かいたいが」

「いえ。相手が大吾さんですから。分かっています」



「すまん……!! アレの名前を聞くだけで全身を倦怠感が襲い、吐き気と頭痛と痙攣が起きる……!! あとこの世の全部が割とどうでもよくなる……!! 不甲斐ない妻を許してくれ……!!」


 うっかりアレに師事して今の剣技を完成させたと思えば身の毛もよだつというもの。



 京華さんがノア博士に「日本の道場から刀を取り寄せられるか?」と無茶を言うと、ボクっ子乙女が「ふんすー」ともう済ませていた。

 京華さんの手には、この時代では使い手のいなくなった大太刀ジキラントが。


「これが必要だろう」

「京華さん……!! まだ取っておいてくださったんですか! しかもこんなに良い保存状態で!!」


「当たり前だろう」

「ママね、そのチャオ刀を抱いて毎晩お布団入ってるんだからね!!」


「瑠奈ぁ!! お前はあとで説教だ!!」

「ひーん!! なんでぇ!? 抜き身の刀抱っこして寝てるママが心配なだけなのにー!!」


 ジキラントを受け取って、ノアちゃんの空けた大きな穴に一歩。

 「行ってきます」と微笑んだ、南雲修一。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 南極海にストウェアは停泊していた。

 4分の3を異空間のひずみに突っ込む事で、現世のあらゆる索敵網から逃れること10年近く。

 ついに刺客おきゃくが訪れた。


「これは……!! パチンコ屋……!!」

「うっわ、まぶしっ!!」

「姉さん、ぼくたちは少し下がろう!!」


 南雲親子を歓迎するように立っていたのは、お排泄ぶ、失礼、逆神大吾(未来)であり、お前に未来なんかあったのかと言いたくなるこの世界の男ランキングで常にトップ3を堅守し続けて来た逸材。

 1位を奪い合うのはいつも水戸くんと喜三太陛下であったが、水戸くんはマザー仁香すわぁんによって設立されたDT養護施設の館長どうていになったし、喜三太陛下は何故かネオ国協が国交を開いてくれないのでずっと待っていたら12年が過ぎていた。

 ちなみにバルリテロリが現世からガン無視されているのは、雨宮国王が「うちが友好国認定されたら次だと思うんですけどねー。あららー。なかなか来ませんねー。私たちの番」とか言いながら、ピュグリバーで異世界友好国認定を止めるという七並べで6と8を封殺するが如きファインプレーをキメているから。


 この未来において活動中の極大お排泄物は逆神大吾のみ。


「へへっ。南雲さんか。いつかよ、誰か来るとは思ってたぜ。ようこそ!! オレのパチンコ島!! パーラー大吾へ!!」


 説明しよう。

 このパチンコ島ストウェアは「あれ!? オレがオーナーやったらさ、毎日パチンコ勝ち放題じゃね!?」という全てのパチンカスが1度は夢見たり、見なかったり、「いや自分でオーナーしてたら勝っても負けても独り遊びじゃん。プラマイゼロで虚しさプラスじゃん」と気付いたり気付かなかったりするビッグドリーム。

 大吾はまだ気付いておらず、毎日パーラー大吾で玉とコインをジャンジャンバリバリ出しては換金して、自分の財布から現金を別の自分の財布へと移している。


 これを10年くらいやっていたら、ついにお客しかくが来た。


「へへへっ! 歓迎するぜ!! ただしうちの店は毎日が大回収日!! さあ!! パチンコでもスロットでも、好きな台を選びな!! 勝負だ、南雲さん!!」



「えっ!? 打ちませんよ?」

「えっ!? 打たねぇの!? じゃあ何しに来たんだよ!!」


 あえて言うならばお前を、である。



 南雲さんがジキラントを構えた。

 大吾が「ちくしょー!! やっと客が来たのによぉ!!」と煌気オーラ刀を発現する。

 まったく修業していなかったので、煌気オーラ刀のサイズはついに鉛筆どころかクレヨンと見紛う程度に。

 スカレグラーナで良くないハッスルキメた時だってもう少し長かったはず。


「最後にお聞きしておきたいのですが」

「おすすめ台か? 全部だぜ!!」


「あ、いえ。このパチンコ屋の施設、ペヒペヒエスさんとシミリートさんに造ってもらっていますよね? あのお二人、まあペヒペヒエスさんはまだしも。シミリートさんにどうやって手を借りたんですか?」


 大吾は「へへっ」と笑ってから鼻を擦りながら答えた。



「あいつらどっちも、面白れぇことしろって言うからよ!! ワイヤレスイヤホンを両方の鼻の穴に突っ込んで口開いて! これが人間スピーカーじゃい!! ってやったら、大爆笑!! 約束は守るって言って、なんか造ってくれた!! けど、もう2度と会うことねぇとか言うんだぜ、玉ねぎおばちゃんも、ヒョウ柄メンズも!! ひどくね?」


 怖いか。だいごが。

 両方の鼻の穴にワイヤレスイヤホンを突っ込む発想を持ち得る、だいごが。怖いか。


 ガクブルものであった。



「よく分かりました。どうやら、チャオるまでもないようだ」

「あ! やっぱり打ってく!?」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 斬り捨て御免!! 『雲外蒼天うんがいそうてん紫陽花あじさい』!!」


 南雲修一初期ロットの必殺技は本来であれば二刀流の剣技。

 しかし、相手が大吾であれば大太刀で充分。

 斬り伏せた相手の煌気オーラを吸い上げる様はまるで紫陽花のように鮮やかである。



「お、おお、おぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」


 逆神大吾、死す。



 瑠奈ちゃんと京一郎くんが駆け寄って来た。

 今回はしっかりと、瑠奈ちゃんもパパの腕にくっ付いて年相応にはしゃぐ。


「すごいすごい!! パパ、ちょー強いじゃん!! カッコいいし!! パパ、すごい!!」

「姉さん! お父さんを独り占めし過ぎだよ!! ぼくだって抱きつきたいのに!!」

「はははっ!! なんだ、2人とも!! 大人びていると思っていたけど、やっぱり可愛い! 私の子供たちだなぁ!!」


 その後、実はずっと上空で瑠香にゃん砲を充填していた瑠香にゃんによって人工島ストウェアの接収が完了。

 未来を暗黒に染めていた逆神大吾は過去から来た英雄ナグモによって今、討ち果たされたのであった。

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