異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第836話 【バルリテロリ皇宮からお送りします・その5】吉報が続く! 盆と正月が一緒に来た! 陛下が臣民に給付金の配布を決定されました! ~(バル)逆神家も少しずつ仕上がっています~
第836話 【バルリテロリ皇宮からお送りします・その5】吉報が続く! 盆と正月が一緒に来た! 陛下が臣民に給付金の配布を決定されました! ~(バル)逆神家も少しずつ仕上がっています~
バルリテロリ皇宮の玉座に喜三太陛下のお姿が見当たらず。
代わりに皇宮秘書官のオタマさんが足を組んで座っておられた。
「陛下!! ご報告が!! ……オタマ様でしたか」
「テレホマン様」
「はっ。また石がなくなりましたか?」
「いえ。陛下が戻って来られないので、これから私が玉座を使って陛下にはそちらのゴザをお使い頂こうかと思うのですが。どうでしょうか?」
「お正月ですからね。格付けチェックでしたか。……もうそっくりさんなのですか、陛下は。そして玉座の下にある起動した状態の『テレホーダイ』は何でしょうか」
「さすがです。テレホマン様。私はミニスカートなのに、躊躇いもなくその下に隠した『テレホーダイ』を看破なさるとは。御見それしました」
「……もしかして、お暇なのですか?」
「陛下の100倍頭の良いテレホマン様がもう皇帝を継がれては?」
お暇だそうです。
そこに喜び勇んで戻って来た、喜三太陛下。
「出来たぞ、新一!! スケボー型転移装置じゃ!!」
「陛下。そのネタは確かに根強いですが、令和になってからは勢いが弱くなっています。勉強不足ですね。顔を洗って出直されては?」
「ええ……。せっかく大型の転移装置造って来たのに。なんでそんな冷たいリアクションなん? これ見てよ。1度に30人までイケるヤツ。ナタデココが拾ってくれた転移石をコピーして、構成術式組み直してスキルに変換して、それをもう一度アイテムに構築したのよ? ねぇ、すごくない?」
「陛下」
オタマが足を組み替えてから忠言した。
「スケボー型ではないようですが?」
「おじさんのウケ狙いの発言をガチって拾われるとね? 息苦しくなって、最悪死に至るんだよ? あ。次のセリフは分かってる。陛下。陛下は見た目こそおじさんですが、中身はじじいです。でしょ? なんでオタマ、ワシの椅子に座っとるん?」
部隊による侵攻の目処が立って、陛下はご機嫌であらせられます。
そのご機嫌を察知できるかどうかで職場内の地位が変動すると知っているテレホマン。
別にこれ以上の出世なんて求めてないが、気付いたら陛下の側近ポジションに落ち着いている自分の立場を鑑みた結果「次のフェーズに移行するまでここから動けぬならば、立ち位置は安定させたい!!」と悟ったらしい。
ほどほどに有能な電脳のテレホマン。
「吉報がございます!!」
「マジで!? また!? ええー!? どうしよう! よし! 決めた! オタマ! 臣民に祝賀給付金を配布しよう! もうこの喜びを抑えきれない! 国庫にどのくらい蓄えがある?」
「はい、陛下。皇宮の運転資金ならば全額使用可能です」
「そうか! じゃあ、そればら撒こう! めでたい事だから!! ……待って!? ワシらの生活どうなるん!?」
「陛下。ワシら、ではありません。皇宮の運転資金は陛下の衣食住に関するものでして、職員の賃金や福利厚生に関しては別勘定です。よって、どうなるのか分からないのは陛下の生活だけです。ご安心ください。さすがは陛下。まず家臣を案じられるとは。見直ししました。まさか、撤回されるのですか? 配ると仰られたことを? 先ほどから、『テレホーダイ』によって全国土に放送しておりますが? 陛下?」
「ふ、ふーははははっ!! 臣民たちよ! ワシからの前祝いだ!! 今日は旨いものを食ってくれ!! ワシもお酒飲んじゃう! えっ? お酒の購入費がゼロに!? 今日から!? ねぇ、バルリテロリの予算って年度始め4月だっけ? ああ、良かった。……それでも3ヶ月!? テレホマン!! 此度の侵攻、絶対に成功させるぞ!!」
バルリテロリの臣民に給付金が電子マネーで配布済みとなりました。
浮かれ気分がどっかに行かれた陛下。
落ち着かれたようなので、テレホマンがご報告を開始。
「薙刀のゲルググより電報が届きました」
「そうか。……なんで電報?」
「使い方が分からない。聞く相手もいない。電報モードになって戻せなくなった。と、カタカナで打電して参りました」
「……あいつな。強いんだけどな。拗らせてるもんね。八鬼衆の懇親会も来ないし。部下付けてあげたら喧嘩するし。孤立させたくないんだけど。どうにかならん?」
「陛下。ゲルググ様よりも地位のある方が現地に行かれるのがよろしいかと」
「オタマさ。ワシにイケって言ってるよね? なんで玉座に座りっぱなし? いや、ゴザでも良いけどね?」
「陛下。その位置から私のスカートの中がガン見できる事をご存じですね? ゴザでも? ゴザが、良いのでは?」
「あ。ごめんなさい。ゴザが良いです。オタマは性に奔放なのか固いのか、未だに分からんね? なんで見せてくれるん? ワシ、皇帝よ? 権威で手籠めにするよ? あ。ごめん。シャモジ母さん呼ばんとって? あの人、ガチ殴りしてくるもん。ワシの負けでいいや」
バルリテロリ皇宮は大変アットホームな職場です。
テレホマンが続ける。
「読み上げます。ワレ、サカガミオララ、ニュウシュ、シタリ。ヤッタッタ。とのことです」
「そうか! オララってなに!?」
「恐らく、
だが、陛下の表情は喜び全開ではないご様子。
少し訝しむようにお言葉を紡がれる。
「妙じゃないか、テレホマン。なんでキューブ状? ゲルググにそんな器用なことできんだろ? それ、奪ったって言ってた?」
「あ、いえ。電報ですので、文字数に制限が。問いただしますか?」
「……電報で返事くるんだろ? じゃあいいや。焦って打ち間違えさせるのかわいそうだし。こっちで警戒しとこい゛あ゛い゛!? オタマぁ!? なんでスキル使ったの!?」
「陛下がシリアスな顔でスカートの中を覗かれておられるのが不快でした」
「じゃあ仕方ないね! すごく切れ味のあるスキルだった! なに? 今の!」
「陛下のギャンドゥムの金型をちぎってフォークに変換して投げました。トリコを読みましたので」
「……ギャンドゥムの? また造ろうと思ってたのに」
「あの、ご報告を続けてもよろしいでしょうか? それから、食堂から揚げパンが差し入れに運ばれて来ましたが。……先ほど、カツカレー食べられてましたよね? どうしましょう?」
陛下は「いらんって言ったら作ってくれたのに申し訳ないから、食べるよ」と、牛乳片手に揚げパンを召し上がられた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
テレホマンが吉報のトーンでご報告申し上げた。
「(バル)逆神家ですが!」
「おお! やっとか!!」
「一向に準備が整いません!!」
「そうか! じゃあ明るいテンションで報告すんなよ!! 喜んだじゃん!!」
「暗いトーンでご報告したら落ち込まれるかと愚考した次第です」
「それはまあね、落ち込むよ? 今、結局落ち込んでる。けど、貴官の心遣いはありがとう」
続けてテレホマンがやっぱり明るめに報告をする。
「ですが!」
「ヤメろよ、マジで!! ワシだってゴチくらい見てるんだぞ!? その、ピタリ賞が!! みたいなテンション! 腹立つな! チャンネル変えそうになる! たまにガチで出るから、変えられないのがまた腹立つ!!」
「西野家の出撃準備が整いました!!」
「吉報ならそう言って!? 情緒不安定になるわ!! そうか、西野家!! 分家だけど、いいね! 逆神姓の皇族が全然整ってないのは悲しいけど!」
喜三太陛下は
ストレス発散にその辺でセックラしまくっており、数が多すぎてそれらは全て分家になっている。
西野家もその1つ。
「いやー。やっぱり最初の頃にハッスルした子は元気がいいわ! ねぇ、オタマ! 戦いが終わったら、ワシとハッスルする!?」
「陛下」
「キタコレ!!」
「殺しますよ?」
「えっ。ごめんなさい。ねえ、テレホマン? スカートの中を見せてくれるのは、イケるよ今晩! のサインじゃないの? ワシに分かるように教えて?」
「……私、独身ですので。いささか分かりかねます。オタマ様がまたフォークを具現化しておられますので、私は差し出口を引っ込めます。お許しを」
陛下にフォークが刺さりました。
気を取り直して陛下は侵攻状況の修正を行われた。
2か所ほど転移ポイントが確保できそうというのは、作戦開始から開幕連敗という絶望を白く塗り替えるに充分な成果。
だが、攻め込むにしても敵の戦力は減らしておかなければ、転移ポイントに先回りされて各個撃破などと言う憂き目にあったら哀しみで川が氾濫する。
「とりあえず、ミンスティラリアとかいうとこ落とそう! あそこから、なんか逆神っぽいけど逆神じゃない、けどちょっと逆神っぽいヤベー反応があるのよ。なんだろね、あれ。ワシの子孫って3人だよな?」
「はい。そのはずですが」
探索員の皆様は心当たりがあっても陛下に告げ口をしないように願います。
それは重大な反逆行為です。
「もう既に1人、ワシの子孫が現場に出ているからな! そこでさらに2倍! ドーンよ!! ふーっははは!! よし、部隊の編制しよう! 皇族の逆神家を急がせて? マジで。セガサターン買ってあげるとか言って」
「はっ。訂正する尺がございませんので、ヤフオクで購入いたします。セガサターン」
バルリテロリがここに来て善戦。
当初の暗雲を散らして晴らす快進撃を見せる。
「あ。陛下。食堂から、コッペパンが届きました。あんことマーガリンが挟んであるヤツです。美味しいですよね」
「ちょっと! 食堂一旦ストップさせて!! コッペパンは食べるから!! お腹壊すわ!! 全部脂っこいのよ!! 差し入れが!!」
それでは、現世にお返しします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます