異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第746話 【ピース始末記・その1】どうする世界制定協会・ピース ~いつもの会議~
第746話 【ピース始末記・その1】どうする世界制定協会・ピース ~いつもの会議~
ストウェアが激戦を繰り広げていたことなんか、全然知らない日本本部。
ピースの大侵攻作戦を防ぎ切った翌日には、本部に逮捕された容疑者が移送されてきていた。
1号館の仮想戦闘空間に並ぶ、ピースの最上位
ラッキー・サービス。
ライアン・ゲイブラム。
辻堂甲陽。
ペヒペヒエスはもう呉に持って帰られたので、消息不明です。
なお、ポッサムは呉のばあちゃんズが「この子は可愛いねぇ」とハートを掴まれたため、公民館で放し飼いにされることになった。
「……ワンちゃん捕まえて、かわいそうじゃろういね。……なんかあれば、あたしが責任取るけぇ。……ええね、順ちゃん」
よし恵さんが『
「ダメですよー! よし恵さん、まだまだ長生きしてもらわないとですからー! そんな、ご自分の体を質に入れるみたいなことしちゃ!」
「……ふっ。……順ちゃんは優しいねぇ。……この鎌で首落とすのは、ワンちゃん。……の飼い主の玉ねぎさんよ」
「……もうあかんわ。これが地獄ってヤツやんけ。デトモルトの倫理観がおかしなっとったこと、よう分かった。命って大事やん。そう思った次の瞬間にはクビ飛ばされとるかもしれへんとか。ええ……。いっそ一思いに殺って欲しいまであるで」
呉の公民館は危険特区に指定されているため、上級監察官以上の権限がなければ立ち入れない場所。
これでペヒペヒエスとポッサムの問題は解決。
それから雨宮さんはエヴァンジェリンちゃんをお姫様抱っこして「きゃー! これがブライダル式ですか!!」とはしゃぐ大変たわわなお姫様をピュグリバーへと送り届けてきた。
今回の雨宮さんは極めて仕事ができる上に、危機管理シミュレーション能力も高い。
火種を全部鎮火してから、本部に出頭していつも通り報告書を捏造した。
「これより、会議を始める。とはいえ、監察官も人員が不足しているのでな。少数精鋭で行わせてもらうぞ。議長は私が務めさせてもらう。南雲京華上級監察官だ」
京華さんと雨宮さんの両上級監察官。
そして、逆神四郎特別顧問が治療している久坂剣友監察官。
後ろに控えるのは久坂御大自慢の息子。久坂五十五Aランク探索員。
ゴリ門融合監察官は未だに融合したままなので欠席。
楠木秀秋監察官は、結局ストレスに負けてストロングゼロ飲んだので欠席。
加賀美政宗監察官代理は「弱卒の身には過分な場所ですので」と辞退。
水戸信介監察官はまだ灰色のままなので欠席。
「南雲さん! こんな事でお寿司ご馳走してもらえるんですか!?」
「もうね、トロでもウニでも、鯛でも鮃でも! なんでもお食べなさい!!」
「ふぇぇ。なんか怖いねー。モグモグ。ねー。みんなぁ?」
「みみっ。とんでもないところに呼ばれてしまったです。みみみみっ」
「芽衣ちゃんがお尻から離れんのにゃー! 久しぶりの感覚だぞなー! 私服でそれやられると、最悪ズルリするにゃー!!」
「おヤメなさいな、クララさん!! はい、ベルトをお締めになって! 莉子さん! カロリーメイトの粉がこぼれてますわよ!! ノアさん! どうして回収されたはずのスマホ持ってるんですの!? 機密性最上級の会議ですのよ!?」
「小鳩先輩! さすがのお姉さん力です!! 今のデキるお嫁さん感、あとであっくん先輩に送ります!!」
「……べ、別に、ノアさんがそうしたければ、止めませんわよ!!」
チーム莉子の戦力がさらに上がり、制御性が脆弱になった。
乙女たちも六駆くん同様、万が一に備えての招集。
「ふぇぇぇ。悪いこと企んでた人がこんなに集まって、平気かなぁ? モグモグ」
莉子ちゃんが福田オペレーターの報告書により、最上位
山根くんがやってきて、莉子ちゃんの前にカロリーメイトの追加を置く。
会議が始まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
まず、3人の犯行動機を改めて自身の口から語らせる。
国協の機能が回復すれば裁判が行われるため、これは公式記録として扱われるのだ。
「……ふん。……俺はただ、理想とする世界平定のために力を付け。……力が整ったから実行に移しただけだ。……貧困と富裕。……世界の乖離は」
「サービスさん!! 自分に正直になりましょう!! ねっ! 僕、あなたを傷つけたくないな!!」
「……ふん。……遊ぶ金欲しさでやった」
「サービス氏。貴方、それで良いのか? これ、公式の記録だぞ。おい逆神。脅すな。そっちが問題になる」
野望が潰えたならば、もはや是非もなし。
敗者のルールを弁えているサービス。
続いてライアン・ゲイブラム。
「私はサービス殿に自分の意志で賛同した。多少目指す場所が違ったことは否めないが、大きな志は共にあったと今でも確信している」
「なるほど! 遊ぶ金欲しさですね!!」
「逆神くん! お寿司、特上のさらに上を頼むから!! ちょっと静かにして!!」
「えっ!? 南雲さん!! 莉子にも食べさせてやっていいですか!?」
「ふぇぇ! 六駆くん……!!」
「断ったら私が死ぬじゃん。子供が生まれるんだよ。塚地くん。青山くんに謝っといて。あとで、協会の福利厚生施設で使えるギフト券30万円分送るから」
「かしこまりましたわ。仁香さん、なんてお気の毒……」
莉子ちゃんは前日の戦闘から継続してカロリーを摂取し続けております。
「手の届く範囲の改革をしたかった。しかし、武力を用いた点については、早急に事を運び過ぎたと感じている。若返りの技術があるのであれば、もっと時間を使うべきだった」
「なるほど。貴方のお噂は伝え聞いていた。実直な方のようだ」
「南雲上級監察官。弁明の機会を頂き、感謝する。久坂監察官。部下たちの治療に対して、重ねて無上の謝意を。過剰に言葉を紡げば思いが軽くなるゆえ、今はこの程度に留めておく」
「ひょっひょっひょ! ほんに不器用なヤツじゃのぉ。目の前で倒れちょる者がおりゃあ、敵じゃろうが味方じゃろうが、手ぇ差し伸べるのが人情じゃわい」
「父上! 確かにそうかもしれん!!」
「五十五。帰ったら、昼から飲むぞい。たまにゃ付き合え」
雨宮さんが確認する。
「あのー。ライアンさん? このワンワンにゃんにゃん帝国建国というのは?」
「私がこの命を賭してでも果たしたい、大義でございます。世界中のワンコとにゃんこが笑顔でいられる世界を作れるというのならば、私は何度でも剣を持ち立ち上がる!! 危険分子と認定されても、この義は折ること違えません!!」
「わぁー! そんなステキな国ができるんですかぁー? もぉ! 言ってくれればいいのに、ライアンさんってばー!! だったらわたし、応援しますよぉ!!」
ライアン・ゲイブラム、最強の後ろ盾をゲット。
最後に辻堂甲陽。
なお、この場にいる監察官以上の者は全員が顔見知り。
「よぉ! おめぇら元気そうで良かったなぁ!! 五楼は結婚したんだってぇ? めでてぇな! 旦那はそっちの兄ちゃんか! おめぇの記憶はねぇけど、監察官って事はおっぱい青年くらいはデキるんだろうな? おうおう! ええと、南雲? おめぇ、おっぱい好きか?」
「……辻堂さん。申し開きをお願いします。……妻がこっち見てますので、その話題はヤメてもらえあ゛あ゛! 京香さん!? なんで叩くんですか!? 好きです! 好きですよ! 私だって京華さんのおっぱい好きです!!」
雨宮さんがやっぱり纏める。
「辻堂さんの犯行動機は、面白そうだったからでいいですか?」
「雨宮の坊主! おめぇ偉くなったなぁ! 相変わらず賢いし! おうともよ! 後ぁ、命救ってもらった身だからよぉ! まあ義理人情くらいは果たさにゃなるめぇ?」
事情聴取完了。
◆◇◆◇◆◇◆◇
問題は彼らの処遇である。
通常であればウォーロストに留置するのだが、3人のいずれも本気を出せば普通に出てくるし、かつてアトミルカがやったように囚人を扇動して新しい組織を1週間もあれば作り上げてしまいそう。
つまり、留置する場所がない。
そこでさっきから両手を構えている六駆くんの出番。
「やはり逆神の提案を受け入れるしかなかろう。現状の最善策だ。チーム莉子、および逆神家の皆様は引き続きミンスティラリアへ駐留。ラッキー・サービスとライアン・ゲイブラムの監視の任を与える」
「京華さん、京華さん!! 本当に1億円もおかわりできるんですか!?」
「ああ。昨夜のうちに各国の協会と結論を出した。ただし! ……成功報酬だぞ!! 国協が復旧し、容疑者たちの措置が終了した時点で支払うものとする!! これは譲れん!!」
「うわぁ! 隠居だ! 隠居ができるぞ!!」
「にゃはー。それって何年かかるんだぞなー?」
「みみっ。クララ先輩、下手するとおっぱい握りつぶされるから、静かにするです」
雨宮さんが三度大事なことを言う。
「辻堂さんなんですが。デトモルトの情報提供をしてくれるという司法取引が成立しちゃいましてー。しかも、探索員時代の功績と今回の罪を相殺したらプラマイゼロなんですよね。人命救助の返礼って言う理屈も一応筋通ってますしー。あのー。久坂さん? 辻堂さん、久坂さんのお宅で引き取ってもらえます? もちろん、手錠つけてますし、四郎さんの作られたものなので安全性は保証済みですから。辻堂さんが剣友の家がいいな!! って聞かないので」
「かっかっか! 剣友! 五十五!! 世話んならぁ!!」
「五十五! 帰るで! 道すがら、活きのええ魚でも買うて行こう!!」
「父上!! お気を確かに!!」
辻堂を四六時中、絶えず抑えられるのは久坂親子だと実戦で証明してしまった事実が皆のじい様を苦しめる。
久坂さんが「もうなんでもええ。酒持って来てくれぇ」とやさぐれたところで、会議は一旦休憩に入った。
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