第433話母熊型の獣人と父魔族とのハーフ
トリプルSほどの猛者にでもなるとただそこにいるだけで物凄い存在感を放つ者だとエマは思っていたのだが、目の前でボナさんと会話をしている女性は確かに美しさで言えば存在感を放っているのだがギルドマスターだと言われなければ分からない程度の存在感しか感じない事に気持ち悪い違和感を感じてしまう。
「自分の実力を隠せない者は三流ですよ。 わざわざ相手に自分の強さを教える事は時に死を意味するのですから、特に実力社会の冒険者なんかはね。 しかし力を誇示する事によって身の安全を確保する事もあるわ。 自分よりも下と思わせる事が出来れば襲われる事も少なくなるでしょう?まあ立場や身分でその対応は変わっって来るわね。 だからと言ってチンピラみたいにむやみやたらに力を誇示するのは愚の骨頂なのだけど」
ギルドマスターとの模擬戦闘をやるギルドの施設の一つである闘技場までの道中、先ほどの事をボナさんに聞いて見るとその答えが返って来た。
よくよく考えれば当たり前の事なのだが力を誇示したがる冒険者が多いのも事実である。
表情に出ていたのかその疑問にもボナさんは優しく答えてくれる。
結局どっちが答えなのか分からないまま闘技場についた。
「それでは両者前へ!」
闘技場に着くとボナさんはストレッチなる運動で身体をほぐし、それが一通り終わった頃審判役であろうギルド職員に闘技場中央に来るよう声がかかる。
ちなみに闘技場の観客席にはこのギルドのトップの顔である者達、ランクSパーティー二組、ダブルSパーティー一組、トリプルSパーティー一組の冒険者達が顔を揃えていたが、その他の冒険者達の姿は見受けられない。
どうやらギルド側が規制をかけたらしいのだがボナさんの実力の一端を他の冒険者達に見られると言う事には変わりない。
「これでは裏シリーズは封印して闘うしか無いですね。 まあいいハンデでしょう」
ボナさんの言う裏シリーズとはボナさん曰く魔族の姿にトランスフォーム(トランスフォームという言葉は良く分らないのだけれども変身という意味らしい)した時の戦闘スタイルの事みたいである。
ちなみにボナさんはちゃんとした魔族ではなく母熊型の獣人と父魔族とのハーフらしくどちかと言えば母の血を濃く受け継いでいるのだが両親の悪いところばかり引き継いでしまったらしい。
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