第211話結局最深部まで付いてきたのですね
自分達がお箸を使えないと知るやウィンディーネはストレージからフォークとスプーンをたり出そうとするのだがベッテンを除くと唯一の女性、アニス・サイフリッドがそれを制し、ルシファーという少女が食事のメニューを聞き出そうとするもウィンディーネには分からないらしくメニューが知りたければ今まさに調理中のミセルとレイチェルに聞いてくるように言うとルシファーは「ミセルー!!レイチェルー!!何作ってるのっ!?」と食事を作っている二人の元へ駆け出して行く。
一見大人しそうに見えるルシファーなのだが彼女はベッテン同様ジャジャ馬娘なのかもしれない。
「……何ですか?大佐」
「いや……なんでもない」
「そうですか。あ、大佐……足癖の悪い馬に気を付けて下さいね」
◆
「結局最深部まで付いてきたのですね」
「ああ。帝国に戻る前に本当に自分達は騙されていたのか知りたくてな。あと君達が最深部のボスと戦う所を見てみたい」
初めは自分だけついて行き、部下は引き返させるつもりだったのだがその部下も何故か全員付いてきている。
あれ程の脅威から救われたというのに更に上の脅威が待つ場所まで良く行こうと思ったものだと言うと「コンラッド大佐にも当てはまりますよそれ」とベッテンに突っ込まれると同時に結局は全員真実が知りたいのだろう。
そして脅威すら軽くあしらう強さを持つ冒険者の方達もいるのなら真実を自らの目で確かめに行こうと思うだろう。
例え真実だろうともう以前の様に忠義を尽くせない為帝国軍に戻るつもりは無いのだが……。
「姫がもし本当に捕らわれていたのならどうします?」
「自分にはどうする事も出来ないだろうな」
「そうですね」
今回我々がこのダンジョンに来たそもそもの理由が、我が国王の長女スカーレット・ヨハンソン姫がこのダンジョン最奥地に捕らわれていると言うとにわかにしんじれない目撃情報によるのも出会った。
しかし帝国側はその情報を単なる噂で片付けるどころか信用し、我々を派遣したのである。
今思えば疑わしいと思えるのだが……。
そんな事を内心思っているとセラが最深部ボス部屋だと言うのに何のためらいも無くその部屋の扉を開ける。
その部屋にある人物を見た瞬間、何故こんなダンジョンにスカーレット姫が捕らわれているという信憑性すらない情報を帝国側が信用したか理解できた。
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