第53話サポートキャラクター

 この魔術デモンズゲートはテレポートと違い会った事があるプレーヤーの場所にゲートを繋げる事ができ、テレポートは一度行ったことある場所移動できる仕様になっており、この二つを使用できればかなり楽にマップ移動ができるようになる必須能力でもあった。


 そしてこの門の特徴に自分の魔力総量により門の大きさや形が変わり、魔力が多ければ多いほど大きく、そして豪華になる特徴がありその変化は十段階まである。


 さらに双方デメリットがありテレポートは自分自身しか移動できず、デモンズゲートは何人でも向こう側に送る事ができるが魔力を消費しなければならず、さらに自分の魔力以上のプレーヤーを送る事が出来ないのである。


 すなわち、クロが出した門がこの世界の魔王よりも魔力総量が高いことを物語っている。


 その事実が門の向こう側にいる魔族たちをも驚愕させ、その門から現れるであろう者を固唾を飲んで待ち受けていた。


 さて、門を出したは良いがここに残るサポートキャラクター達をどうするか悩むのだが、しかしクロはサポートキャラクターにいるであろうキャラクターを思い出す。


「セバスチャン、いるか?」

「お呼びでしょうか?クロ・フリート魔王様」


 クロが呼ぶと高そうなスーツを着こなした初老の執事のような姿のキャラクターが現れ、頭を少し傾げる。


 このセバスチャンというキャラクターは今出ているクエストやバトル用の補助キャラクターではなく文字通りサポートキャラクターでゲーム登録と同時にゲームで分からない事などを分かりやすく教えてくれるキャラクターとして最初から存在しているキャラクターである。


「回復サポートキャラクターをここに置いていく。その間ここをお前に任せても大丈夫か?」

「かしこまりました。ここは私めにお任せください」


 ここはセバスチャンに任せても大丈夫だろう。


 そう思わせてくれる立ち振舞いに満足する。ゲームの時と同様にいざというときに頼りがいのあるキャラクターである事を雄弁に物語っていた。


「よろしく、セバスチャン」


 そしてクロは門を通して敵陣に攻め込もうとするのだが、その後ろを振り向けば数多のキャラクター達がクロと一緒に戦う意志を見せながらついてきていた。


 その光景を見てクロは彼らの事を『キャラクター』として考えるのを辞め『意志ある者』として接しようと心の中で誓う。

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