第51話クロは満足する
「…………」
「ああ、そうだったな。そろそろ先ほどお前達の身体が動かなくなった答え合わせと行こうか?」
キュートスがクロを赤い顔で睨んでいるのが見えたので先ほどのネタバラシをすることにする。
キュートスからすれば胸を揉まれた事と病を治してもらった事とで怒れば良いのかお礼を言えば良いのか迷っていただけなのだが、クロの問いかけにより彼が敵だという事実を思い出す。
「っ、あ……あぁ……そういえばそうでしたね。先ほどのような能力、見たことも聞いたこともない上に、本来闇と光の呪文は互いに相殺しあい魔術は消えてしまうはずです」
「そうだな、本来なら互いに干渉しあい相殺されるのだが闇属性の影縫いを使った直後から2フレームまでの間に光属性の影消しを使えばまず影縫いの効果が現れ相手の動きを止めたあとに影消しの効果が現れ、影縫いの効果を残したまま影が消える。本来影縫いの効果持続時間は二秒ほどなのだが、魔術をかけた影を消されることによりその状態が固定されたまま消され、影縫いの効果が消えなくなるんだよ」
「そんな事が………」
キュートスが信じられないと言いたげな表情を見てクロは満足する。
なんせクロもまたギルティ・ブラッドでキュートスと同じ思いをしたのだ。
ネット内での知り合いとは共有できた発見と驚きなのだが、現実では、クロの周りにギルティ・ブラッドをプレイしている友人はおらず、自分が発見したコンボをこのように話し説明するのがクロの夢の一つでもあった。
このコンボはクロが魔王の称号をかけた大会で猛威を振るったコンボでもある。もちろん後半では対策されたのだが、相手の選択肢にこのコンボの対策が入ってしまうためこちらのペースでゲーム展開できたのも事実である。
そしてこのコンボは初代サポートキャラクターガチャに入っていたキャラのセラと当時最新の限定ガチャで登場したルシファーがいないと使えないため古参かつレアリティーが高いセラとルシファーを持っている魔族プレイヤー、さらに十年以上前に産廃キャラになっていた初代セラを所持している者はごく少数であったため、この大会では俺しかこのコンボを使用できなかったほどである。
そしてこのコンボと重課金装備を施しなんとかガチ勢と並ぶ事ができたのでこの魔王という称号は俺のキャラ愛の称号でもあるのだ。
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