Lv1のモンスターしかテイムできないと言う理由で追放されたが、どうやら俺はモンスターを進化させることができるようでスライムが幼女になっちゃた、でも、俺のパンツを下げるのやめてくれ!
第74話 帰ってきたメロス……メロン?(4)
第74話 帰ってきたメロス……メロン?(4)
ドグスの命令で、断頭台からボヤヤンとムツキが放される。
そんな二人の首にロープが巻かれると即興で作られた火の見櫓のような高い台に乗せられた。
そして、執行人から、それぞれ一本の鎖を握らされたのだ。
その鎖は、先ほどまでステージの上で二人のクビが固定されていた断頭台の刃へと繋がっていた。
今や二つの断頭台は、その位置を90度に変え観客席に対して垂直に配置されていた。
素っ裸にされたオバラの体を二つの断頭台が挟みこむ。
オバラの首にまきつけられた鎖が背後から足首へピンと張られていた。
そのためオバラの姿は、さながら肉の円。
その円を固定するかのように伸ばされた両腕が、二つの断頭台の刃の下に固定されていた。
そして、何よりも目を引くのが、観客席の真正面に置かれた石の台。
その石の台の上には、オバラのたわわに実ったメロンのような両胸が乗せられていたのである。
胸のとん先に取り付けられたリングに血がにじむ。
リングにくくりつけられた紐が緊張し、オバラの胸を台の反対側へと無理やり引っ張り伸ばしていた。
そして、その紐の行く先は、幾多の滑車を通った後に、最後にはボヤヤンとムツキが立っている足元の板へとつながっているのである。
二人の執行人が石の台の左右に大きな斧を振り上げて構えている。
ドグスの命令一つで、オバラの胸を根元から、その斧で切ろうというのであろうか。
まぁ、よく熟れたメロンのようにやわらかい肉である、斧で簡単に切れるとも思えない。
どうやらこの執行人たちも、ハナッからその気はないようである。
というのも、その斧の刃はボロボロ。
拷問用にワザと刃をかけさせているのだ。
一回の振り下ろしで、簡単に終わらせる気はさらさらない。
斧でありながら切る、割ると言った行動より、叩くと言った方が適当かも知れない。
その斧によって何度も何度も叩きつぶされた胸は、紐の張力に耐え切れず、ついには胸を引きちぎるのだ。
そして、紐はするすると滑車を通り、ボヤヤンたちの足元の板を外す。
落下するボヤヤンたちのクビは締まり、絶命する。
そして、手に持つ鎖はその瞬間にはずれ、断頭台の刃を落すのだ。
そして、その瞬間に、オバラの腕はバッコンとなくなる。
できることなら、片側だけと言うより、両側がなくなる方が面白い。
なぜなら、腕と胸の固定が外れたオバラは肉の車輪となって転がるのである。
痛みに泣きわめきながら転がっていく。
これこそ、ドグスが求める凄惨なエンターテイメント!
ドグスが得意げに笑っている。
「アリエーヌ姫様が勝てば、右の胸がペッタンコ! ミーナが勝てば左の胸がペッタンコ! それに連動して高台に置かれた男たちも首を吊る! そして腕がバッサリ! どないや? おもろいやろ?」
普通、こんな残虐なショーを観客たちが受け入れるはずがない。
しかし、今の観客たちは違っていた。
オバラたちは英雄マーカスを傷つけた極悪人とさんざん貶められたのである。
英雄マーカスを傷つけたという事は、この国を傷つけたことと同義とまで言われたのだ。
ドグスによって観客席に仕込んだサクラたちが叫ぶのだ。
この者たちに天罰を!
観客たちの愛国心に火が付いた。
キサラ王国万歳!
すでに、この国賊に裁きを下すべきだと鼻息荒くわめきたてるのだ。
マジメな奴が損をする社会は許すまじ!
煽れば煽られるほど勢いを増す空っぽの正義。
既に何が正しくて何がおかしいのか判断がつかないほど、その場の雰囲気に飲み込まれていた。
「さぁ、右側が飛ぶか! 左側が飛ぶか! どちらが飛ぶか見ものだよ!」
テンションが上がった観客たちは、自らが推すアリエーヌ、ミーナそれぞれを応援し始めていた。
アリエーヌは、そんな状況に恐怖する。
ついついミーナに対する対抗心から、こんな勝負を受けてしまった。
だが、首が飛ぶのは、マーカスを傷つけた罪人である。
裁判所の正当な裁きを経てないとはいえ、それには一つの道理があると自分を無理やり納得させていたのである。
だが、今の状況は違う。
明らかに異様な状況だ。
罪人を裁くと言うより、残虐な人殺しのショーを楽しむと言った感じなのだ。
――何かが違うのじゃ……何かが……
そんなアリエーヌは、マーカスに救けを求めようとした。
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