第55話 先輩も後輩もあらしません!
俺はまた夢を見た。
しかし、今度は真っ暗だ。
目を開けても何も見えない。
ただ、5人の女の子たちの声だけが聞こえてくるのみだった。
「ちょっと! ライム先輩! 聞いてくださいワン! さっきこの人! 自分たちをものすごいエロい目で見てたんですワン!」
「ヌイちゃん……年頃の男の子ってそんなもんだよ!」
「って、先輩、幼女ですにゃぁ~! なんでそんなこと知ってるんですかにゃぁ~ ミーニャ怖いにゃあ~」
「だから、ヒイロは大丈夫だって!」
「ウルル……怖いですぅ! 怖いですぅ! 怖いですぅ!」
「いや……アンタの怒った時の赤い目のほうが怖いから……」
「ライムちゃん……そんなひどいですぅ!」
「アチキは、この人信じれると思うでアリンスよ!」
「ペンコ! お前は花魁か!」
「アチキは元からこんな感じどすけど……ライムはん……何か問題アリンスか?」
「もういいわよ! まぁ、これだけ搾り取れば、アンタたちも人型維持できるんじゃない? どう、私に感謝しなさいよ! 感謝!」
「って、ライム先輩が一番、魔法の液なめてたじゃないですかワン!」
「いいのよ! 私とヒイロの仲なんだから!」
「なんですかにゃ~ん? その意味深な言い方は? なんだか気になるにゃぁ~」
「私とヒイロは、深い絆で結ばれているの! ヒイロのものは私のもの! 私のものは私のもの! 分かった!」
「ウルルには……全然分からないですぅ……」
「要は、ヒイロによってテイムされたアンタたちは、私のしもべってことよ!」
「そうは言いはりますが、ライムはん、アンタはんもアチキらと同じく、テイムされている身の上と違うんでアリンスか?」
「うっ!……ペンコ、細かいわね……確かに、テイムされているけど、私がセンターなのよ!」
「意味が分からんワン!」
「まぁ、いいであらしませんか。この殿方によって、私たちは命を救われた。これは紛れもない事実でアリンス。アチキはこの人にゾッコンですわ!」
「ちょっと待った! しもべの分際でゾッコンはいらん! ゾッコンは!」
「ライムはん……何をおっしゃっていらっしゃいますの。恋には先輩も後輩も関係あらしません。だれが、真剣に殿方を愛せるかで決まるのと違うんでアリンスか?」
「うっ……」
「ライムはん、もしかしてヒイロはんのこと、そこまで愛してないんとあらしませんの?」
「そんなことないわよ! 私とヒイロは深い仲なのよ!」
「それ、ライムはんが、自分で勝手に思うとるだけでアリンスよね。ヒイロはんの気持ち聞いたことありますの?」
「うっ……ないです……」
「なら、アチキらと一緒でアリンスな。アチキが人型になれば、どうどうとヒイロはん狙わせていただきますよって、そこんとこ! 夜露死苦!」
「あっ! それなら自分も参加するワン! 自分もヒイロっち狙わせてもらうワン! 夜露死苦!」
「ちょっと待つにゃぁ~! 面白そうだからミーニャも参加するにゃぁ~! ミーニャもヒイロに可愛がってもらうにゃぁ~! ということ夜露死苦にゃぁ~!」
「あっ……あのぅ……あのぅ……あのぅ……ウルルも参加してもいいでしょうか……ウルルもヒイロさんを狙ってもいいでしょうか……夜露死苦ですぅ……」
「ちょっと! あんたたち! 何勝手なこと言ってんのよ! ヒイロは私のものだって!」
「ライム先輩と自分たちは同じテイム仲間だワン!」
「そんな事、関係ないにゃぁ~」
「そうですぅ……そうですぅ……」
「分かったわ! その勝負受けてやるわ! あとで吠えずらかいてもしらないわよ!」
そういい終わったかと思うと、俺の下半身が、ものすごい力で掴まれた。
ギヒッ!
目の前が真っ暗な俺は、暗黒の空間の中でカエルがつぶれたような悲鳴を上げた。
「ライム先輩ずるいワン!」
「ミーニャにもよこすにゃ~ン!」
「アチキにもわけてほしいでアリンス」
「ゴラァ! どけや! それはウルルのもんや! ゴラァ!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ」
そして、またもや俺は、下半身がぬるっとした感触に包まれたかと思うと、意識を失っていた。
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