第22話 エピローグ2



 朝食を食べ終えて吞気に食後のコーヒーをすすりながらふと思います。余談ですが私の弟子であるリオネとメラはコーヒーの味がよくわからないみたいなので紅茶を飲んでいます。私の人生日本よりも毎日が違う日々で色鮮やかでとても楽しかったですね。今も昔よりは穏やかな日々ですが激動の日々ですね。






「先生、悲しい過去があったんですねえ。」


メラがおばあさんのように頷きながら話しておりました。私の方がおばあさんなんですがねえ。






「それで先生の最初の葬儀はどうだったんですか?」






「そうですね。本当の最初の葬儀は先生に取られてしまいましたから。あの後も色々ありましたよ。」






「先生?」






「ああ、すみません。少し浸っていました。」






「ボケたのかと思いましたよお。」






「なんですかねメラ???」






「え、あ、なんでもないです。」






「メラさんって意外と空気が読めないですね。」






「昔の私に似ていますね。」






「先生の弟子だからね!」






「・・・・・・。」


私もリオネも黙ってしまいました。窓から冷たく強い風が吹きます。タイミングよすぎませんかね?






「と、取り敢えずまた語り始めましょう。あの後初めての弟子ができるんですよ。」






「そうなんですか。」






「まあそれまで色々なことがありますが、、、。」






「先生の人生色々あまりぎますよお!」






「メラはよく聞いていますね。でも人生色々あった方が楽しいですよ。」






「それで先生の最初の弟子とはいつ出会ったんですか?」






「そうですねそして弟子を取りたくなくなった理由でもあります。あの子以外の弟子を取りたくなくなりましたから。今となれば取っても良かったと思います。」






「現に取ってますねえ。」






「私はどっちかというと先生の耳飾りの方が気になりますね。とても綺麗ですし。」






「もらったものですけどね。まあ思い入れはありますが。」






「今思ったんですけど、先生もエテルナ先生のこといえませんよね?先生も身長150未満で運転してるんですから。法律上150以上じゃないと運転できないじゃないですか。」






「昔は違ったんですよ。それにしてもリオネは真面目ですね。」






「そうですか?」






「そうだよリオネ!先生は今も160ちょっとしかないんだから。」






「メラ、、、。そういう問題じゃないんですけどね。」






「先生は小さいってことですか?」






「リオネまで、、、。あなたたちは150手前ぐらいですよね。」






「先生、私はこの間測ったら150越えてましたよ。リオネは越えてませんでしたが。」




 笑いながら突然煽りだすメラ。




「何笑ってるんですかメラさん?2,3センチくらい誤差ですよ。」




 クールに反論するリオネ。




「でも150と140では大きな壁が存在しますよー」




 したり顔で煽るメラ。




「それはあなたが馬鹿みたいに早く寝てるからですよね?」




 呆れてものが言えないといったような感じに煽り返すリオネ。




「はぁ?馬鹿みたいにってなんですかね?リオネは夜勉強してるからですよ。私は朝してますから。」




 負けじと反論するメラ。




「でも朝早く起きても寝てる時たまにありますよね?」




 弱みをつくリオネ。




「それは、、、、あれですよ。休憩ですよ。」




 慌てて反論するメラ。これは勝負ありましたかね?日はマウントの取り合いがすごいですね。もう悪口ですが、、、。






「そうですか。勉強してる時間は合計では同じくらいなのに成績は私の方が断然いいですよ。」




 得意げな顔をしてさらに追い詰めるリオネ。






「それは、、、偶然ですよ。」




 手がなくなってしまい落ち込むメラ。






「一回でも私に勝ったことありましたっけ?」




 徹底的に潰していくリオネ。この子ちょっと怖いですね。






「ハイハイそこらへんにしてください。今日二回目ですよ?」






「それはメラさんが急に煽るから、、、。」






「最初はリオネが先に煽ってきたじゃないですか、、、。」






「どっちもどっちですよ。仲良くしてくださいね?」


まあ、このマウントの取り合いも聞いてて楽しいですが。






「はい。」






「はーい。」






「よろしい。」


こういった騒がしい日々がずっと続けばいいんですけどね。






「それで何の話だっけ?」






「先生の最初の弟子の話ですよ。」






「あー、そうでしたね。」






「しっかりしてくださいねメラさん。」






「ふふ、そういう感じに互いに補い合えばいいんですよ。」






「いつもはそういう感じなんだよ。リオネは先生の前ではこうなちゃうだけだし。」






「そうなんですね、、、。じゃあ私がいなくても大丈夫ですね。」






「そんなこと言わないでくださいよ。悲しくなってしまうじゃないですか。」






「大丈夫ですよリオネ。私はまだまだ死にませんから。仮に私が死んだとしても残せるものは残せたと思います。」






「私たちのこと?」






「そうですね。三年前からあなた達を弟子にしてますからね。」






「先生、、、。」






「まあこういうのはまた後にして、そろそろ語りましょうか私の昔話を!」






 ドアが開く音がします。誰か帰って来たのでしょうか?赤色の二つの花がドアからの風でゆっくりと揺れます。いい香りがしますね。






 皆さんはどうでしたか?私の過去はまだまだあるのでこの先も見守っていてくださいね。




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