第4話 気ままにキャンパスライフ?
あ〜 今日から大学生だ。
高校で味わえなかった青春を取り戻すぞ。
でも、工学部は女子が少ないんだよなぁ。
特に俺が専攻した化学工学科は最も少ない。
就職に有利だから選んでしまったけど、失敗だったのか?
入学式も終わると様々なサークルに誘われた。
「あら?青木君じゃない? 久しぶり。」
「へえ〜 この大学入ったんだ。」
突然声をかけられて俺は戸惑った。
「えっ? どちら様ですか?」
「私の事忘れちゃたの?同じ高校でアナタより2コ上の荒井理沙よ。」
・・・そういえばそんな人居たな・・・
高校でハブられてた俺はその頃の記憶は消したいんだけど・・・
「先輩はこの大学生なんですね?」
「そうよ! 金曜日に新入生の歓迎会するから青木君もいらっしゃい。」
「俺も参加していいんですか?」
「もちろんよ。私のかわいい後輩なんだから・・・ でも、未成年はお酒はダメよ。」
なんとなくその日が待ち遠しくなった。
新しい出合いに俺は心が弾む・・・
金曜日の夕方、大学近くの居酒屋を借り切って新入生歓迎会がはじまった。
荒井先輩は俺に気を遣って時々話しかけてくれる。
「ねぇ〜 高校でアナタの同学年だったテニス部の石井由美、どこの大学いったの?」
俺は高校時代の事あまり話したくなかったけれど・・・
雰囲気悪くしたくなかったから、普通に知ってる事を話した。
なんだか、荒井先輩のジ〜と見つめてくる視線と微妙なボディータッチが気になったが、“男ばかりに囲まれてるからに違いない。”と勝手に自分を納得させた。
荒井先輩がトイレにたった時、男の先輩から声をかけられた。
「ちょとだけいいかな?」
「はい、何でしょう?」
「理沙は今日、キミを狙ってるから気をつけなよ!アイツはハンターだから間違っても理沙の部屋になんか入るんじゃないぞ。」
「えっでも、荒井先輩は高校の先輩だし、そんな悪い人じゃ・・・」
「あっ!理沙が来ちゃたから・・・」
工学部はキャラが濃い人ばかりだけど、それも貴重な体験だ。
ヲタクぽい先輩がいて、うたゲーの話しで盛り上がっていたら、終電の時間になっていた。
俺は慌てて先輩達に挨拶し、駅に向かう。
店を出て間もなく、荒井先輩に声をかけられた。
「ねえ〜青木君、今からだと終電間に合わないよ。」
「えっそんな?どこか泊まれる所探さなきゃ・・」
「だったら・・・ ウチ来なよ!ウチ歩いて10分位の所だから!」
「俺なんかがお邪魔していいんですか?」
「イイよ。彼氏居るわけじゃないし。青木君がエッチな事しなければね。」
「スイマセン、泊めてくだい。お願いします。絶対に手を出しませんから。」
「分かったわよ。コッチよ・・・」
あ〜 これで荒井先輩には頭があがらなくなるな〜
なんて思いながら先輩の部屋にお邪魔した。
「意外と広い部屋に住んでるんですね。」
「まあね〜 シャワー浴びる?」
「シャワーまで借りたんじゃ・・・」
「申し訳無い?同郷なんだからそんな遠慮は要らないよ!」
「汗かくから飲み物のんでからの方がイイよ。ハイ。」
「ありがとうございます。じゃ〜 遠慮なく・・」
桜は既に散ってしまったけど、夜はまだまだ肌寒い。暖かい部屋は有難かった。
先輩はソファーに毛布を貸してくれた。
ゆったりできる場所が出来て、俺は気を失う様に眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます