第23話 魔神は伯爵一族を地獄に送りました

「1つだけ良いことを教えてやろう。生贄として死んだら、救国の英雄だ。流石に天国に行けると私は思っていた。でもな、行かされたのは地獄だったんだ。それも人1人殺したら1回殺されるという無限地獄にな。貴様らの甘言に騙されて私は1万人の蛮族を引き連れて死んだ。すなわち鬼どもに1万回殺されようとしたんだ」

シャラは言葉を区切った。

そして苦しんでいるコニーらを見下ろす。


「人が地獄で苦しんでいる時に貴様ら何をしていた。えええコニー、言え」

「ギャァァァぁ」

シャラに脚を踏み折られてコニーは泣き叫んだ。


「私があれほど大切にしてくれと頼んだ可愛いクローディアをいじめ抜いていたよな。

私がどんな思いで地獄から見ていたと思う。えええ、コニー」


もう一本の足も踏みつけて足の骨を折る。

「ギャァァァァァァ」

コニーが悲鳴を上げた。


「貴様らには今から地獄に送り込んでやる。無限地獄は苦しいぞ。鬼の中には生きたまま目をくり抜く鬼もいる。コニー、貴様もそうなる」


「いや、そんな、私はまだそこまで殺していないわ」

必死にコニーが言う。


「何を言う。私は貴様のせいで無限地獄に叩き落されたのだ。私の代わりに貴様が地獄に行くのだ。無限地獄行きになるに決まっているだろう」

笑ってシャラが言った。


「お願い許して」

目を赤くしてコニーが言った。目が赤くランランと輝いていた。


「コニー、貴様下らん魅了の魔術を使うんじゃないよ。そんなのが本当に効くと思っているのか」

馬鹿にしたようにシャラが言った。

「一度目は効いたじゃない」

そう言う、コニーの顔を蹴り飛ばした。


「愚かな、そんな事を思っていたのか。私は泣き叫ぶ貴様が可愛そうだと思っただけだ。魔術伯爵家に生まれながら出来損ないの貴様にな」


「な、何ですって。よくも言ってくれたわね」

コニーは場所もわきまえずに切れていた。それだけは絶対に触れてほしくない、コニーのトラウマだった。小さい頃から周りに散々バカにされてきた。魔術馬鹿のシャラには言われたくなかった。

コニーは最後の力を絞って魔力を発射しようとした。


次の瞬間シャラの雷撃を食らって吹っ飛んでいた。

あまりの衝撃の大きさに悪女コニーは事切れていた。


「コニー」

渾身の力を振り絞ってブルースが言った。


「ふんっあっさりと殺してしまったか。まあ、地獄の責め苦が待っているからな」

「シャラ、貴様よくも」

そう言うブルースをシャラは殴り倒した。


「それを言いたいのは私だ。ブルース、貴様わたしのかわいいクローディアは貴様らによって魔導爆弾を腹に埋め込まれていたのだぞ。血を撒き散らしながら。

命をかけて貴様らに頼み込んだに関わらず、そのような仕打ちをして、貴様らに何も言える資格はないわ」


「頼む。シャラ、何卒アデラだけは」

ブルースが必死に言葉を振り絞る。


「私がそう言うことを頼んだにもかかわらず、殺そうとした貴様らを許すいわれはない。ブルース。貴様のゴキブリ娘と一緒に地獄に送ってやろう」


「何言っているのよ。ゴキブリ娘はお前の娘…………」

アデラが総口にした瞬間、シャラの最大出力の雷撃が爆発した。


「私の娘を汚すな」


その爆発の終わった後は生きとし生ける物は全く残っていなかった。

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