第9話 遊園地泊
私は今の現状を両親に電話して、帰れない事を伝えると、親が「迎えに行こうか?」とか無駄な気を使う。
「電気が復旧するまでは、危ないから遊園地から出ないように、、って言われてるんだ。
ーーでも、大丈夫!無事だし、電気が着いたらちゃんと帰るから」
「ーーわかった。何か必要なものあったら電話して」
家の方は停電すら起きていないようだ。
それは母の話し方でわかった。
「ーーありがとう」
中山先輩も親に電話をして、事情を説明しているようだ。
ーーまさか、こんな事になるなんて。
「かぁさん、こんな時になんだけどーー今度、会ってもらいたい人がいるんだ」
「ーーどんな人なの?」
「それは、会ってからのお楽しみ!じゃ、電気が復旧したら、ちゃんと帰るから待ってて」
「早く復旧するといいわね!」
「うん」
とりあえず少し肌寒くなってきた。
遊園地の従業員たちが、慌ただしく場所の確保に急ぐ。
「寒くなってきましたので、これから安全な場所に、皆さんをご案内します。落ち着いて従業員についていって下さい」
園内アナウンスが流れる。
遊園地なだけに、売店などのスペースの事だろう。暖は取れるのだろうか?
「真っ暗で危険なので、ゆっくり私の後を着いてきて下さい」
ゾロゾロと客たちが、従業員の後を追う。
幸いな事に、つまづくような物もなく、誰もケガする事なく到着した。
案内された場所は売店だ。
これだけ食べるものがあれば、食べ物には困らなそうだ。
石油のストーブが2台置かれ、緊急事態の為、売店の中にある飲み物や食べ物は食べても飲んでもいいと従業員から案内された。
ガラス窓は塞がれ、少し外を歩けばトイレもある。
暖を取る事も出来る。
しっかりとした避難所だ。
今日はこのまま早く眠った方がいいとの事で、みんな一斉に眠る事にした。
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