第2話 明船系司馬家の長男、江懐川

江懐川は、


「明船系」と呼ばれる司馬家の長男で、この家もかつては江蘇省や浙江省で活躍した大家族だったという。「司馬」という姓は祖父の代に文化大革命で「江」に変えられて没落したが、「明船系司馬家」という称号は周囲の人々の口に残った。


……高級感があるように聞こえますが、大したことはありません。「明船系」は外の人が江懐川が所属していた一族の称号にすぎない。


しかし彼の家は、この国に無数にあるミドルクラスの一に過ぎなかった。


その前、彼の両親は蘇州で一度に四百万人民元(だいたい六千六百万円)の不働産を買った。


しかし、江懐川はやはり、この世代の大人は大人らしくないと思っていて、ただふりふりをして、メンツを立てて、ぼろぼろの缶を何回か投げつけるだけだ。お金のことしか考えないし、利己的だし……


だから世界はこんなに悪いのだ。

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