アルゴリズム アンド マジック
沖石絃三
階段から落ちたら異世界のおぼっちゃんに転生していた
第1話 まずは魔法を初体験の1 転生した
目が覚めた。
まだ頭が痛い。
足を踏み外して駅の階段から転げ落ちたのは憶えてるから、頭を打って気を失っていたのかな。ぼんやり見えるのはまさに「見知らぬ天井」だけどここは駅の休憩室かな病院かな。目が覚めたのに気付いたのか女の人が誰かを呼びに行った。看護婦さんというか留学生の看護学生かな、何語かわからない言葉を話していた。
欧米なグラマー美人が来て抱きしめられたぞ! ムギュー! 何というパフパフ! なんだなんだ、階段で俺の前で急にかがんで転げ落ちる原因になった御婦人か?外国語でなんか言われてわからんけど、このマダム大きいな! ダダーンか?!
落ち着いてきてわかってきたが、ご婦人が大きいのでなく、俺が小さいのだ、子供だ。外国語みたいで理解できなかった言葉がだんだんわかってきた。階段から落ちたのは同じだが家の中の階段から転げ落ちて二日ほど意識不明だったようだ。じっと手を見るに子供なのは間違いない。幼稚園児のような手のひらだ。ということはあれだ、転生だか同じ階段落ちで入れ替わったかで、知らぬ世界の子供になったらしい。
そんなことに思いを巡らしていたら、周りの大人たちは反応がないのに気が付いたのか、ご婦人が見つめてつぶやいた。
「ホリィ、大丈夫?」
この体のこれまでの記憶とかないぞ、こうなったらあれだ。
「ここは……どこ? ぼくは……なに?」
ここはどこ? おかずはなに? と言いたかったがそれはこらえた。
「ホリィ! かわいそうに! 頭を打って混乱しているのね!
ホレイショ!ここはマミユーマにあるあなたのお家よ!二日も寝ていたから怖い夢でも見ていたのかしら。五歳のお誕生日にあんなことになるなんて。お誕生日にくれたこのお手紙を胸に目が覚めるのを祈っていたのよ」
そういってご婦人は手紙を見せてくれた。不思議な文字だったが読むことができた。
『とうさま、かあさま、いつもありがとうございます』というような内容が書かれていた。
「かあさま、のどがかわきました」
なんて呼び掛けていいかわからなかったんだ。ママかおかあさまかはたまた母上か。かあさまであったか!
そこそこのいいとこのぼっちゃんのようだ。ここは流行りの「スローライフ」などを目指して いろいろ調べて準備をしなければ。
とりあえず今は、かあさまの柔らかな胸に圧迫されながら飲み物を待とう。でゅふふ。かあさまいい匂いでざる。
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