何事もなく時間は過ぎて夜も更けていた。

窓から差す月明かりは明るくそれだけでオズワルド様の顔がよく見えた。

フェリシア様の様子もヒース様が護衛の交代の時に教えて下さった。

フェリシア様のお父様のシャレイド公爵様が光の加護という魔法を使いフェリシア様の魔法防御を上げているらしい。悪いものからも守る役目もあるらしい。その間に魔力回復をすることになり、フェリシア様なら一週間ほどで戻ると話された。

事件が発覚してからアレク様の宮の食材やお茶などあらゆるものの調査が始まっており出入りも制限が課せられ決められた人間しか出来なくなった。

「オズワルド様、犯人の予想はつきますか？」

「…確信はないが、エルサではないかと思っている」

「証拠は？」

「今のところない。だが、時間が戻り一番変わったことはレオン様とリディアの婚約とリディアの呪いだ。呪いはもう起きないから残りは婚約が変わりエルサになったことだ」

「証拠もないのにエルサ様を問題に出来ますか？」

「無理だな。だから明日アレクには時間魔法が発動した話をしようと思う」

「…信じますかね」

「アレクとヒースは時間魔法を持っていることを知っているから多少は理解があると思う」

アレク様とヒース様は昔からのご友人でお互い信頼しあっているらしい。

だから、アレク様は休暇にオズワルド様の邸に来たりしていたのだろう。ヒース様もオズワルド様を悪いようにしない為にヒース様自身が調書を取って下さったのかもしれない。

怒っていたのも友人なのにオズワルド様が前もって相談しなかったからかも、とか思ってしまった。

「アレクの宮なら今は魔法騎士団が配置されているから自由に歩いていいが、宮からは出るなよ」

「はい、明日はフェリシア様にお会い出来ますか？様子を伺いたいのです」

「構わない。その間に俺はアレクと話そう」

ベッドに転がりオズワルド様を見ると優しく頭を撫でるように引き寄せてくれた。

「これが落ち着いたらすぐに結婚式をしよう。リディアが派手にしたくないと言うなら、邸の庭でガーデンパーティーのような披露宴にするか？式は邸のある街の教会になるが」

「はい、そうして下さい」

フェリシア様のことが落ち着いたら何の不安もなくなる。

そしたら、不安もなく結婚式があげられる。

そう思いオズワルド様の腕の中で眠りについた。

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