第11話 if~消えたお茶会~(アリシア)

ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)


※※※※※※※※




今日は友人のアニスのお茶会にやって来た。

驚くことに今日のお茶会のメンバーには第2王子のレオンハルト様の婚約者がいた。


どおりで今日は、アニスの邸に、特に庭に警備がついていると思った。


婚約者はリディアという名前で、侯爵令嬢らしい。

私より身分もありお金にも困ってない。

お茶会用のドレスでさえオーダーメイドなのだろう。

明らかに私とは値段が違う。


でも顔はとりわけ美人ではない。

私の方がずっと可愛いと思った。


リディアを見ていると、何だかイライラした。


そして、お茶会の途中で、警備達が動き出したと思ったら、一人の男性がやって来た。


警備の騎士達が整列し、その間を歩いてきたのは、薄い茶髪のまあまあ顔の良い男性だった。

背も特別高くはないけど低くもない。

何より、着ている服が明らかに私達とは違う立派な仕立てだった。


リディアが立ち上がると皆が一斉に立ち上がった。

私もつられてガタンと音を立てて立ち上がった。


身なりのいい男性は真っ直ぐにリディアに向かって歩いてきた。


「リディア、ここにいたのか」

「レオン様、どうなさったのです。今日はお約束はしてなかったはずでは?」

「リディアに会いにウォード邸に行ったのだが、茶会に行ったと聞いてこちらにきた」

「まあ、そうだったのですか。すみません、留守にしてしまって」


どうやら、この優男がリディアの婚約者のレオンハルト殿下のようだ。

わざわざ、王宮から会いに来るとは、婚約者にも恵まれているのか。


リディアはレオンハルト殿下に、では、帰りましょう、と言っていた。

レオンハルト殿下は、ちらっと目線がティーカップを見た。

ほんの一瞬だが私は見逃さなかった。


その時私は、何を思ったのか、声をかけた。

チャンスだとでも思ったのだろうか。

本当なら、かけてはいけないだろうけど。


「レオンハルト殿下にお会いできて光栄です。もし良ければご一緒にいかがですか?」


私が、スカートの裾を持ち頭を下げて言うと、リディア以外のアニスや周りが止めた。

青ざめていた者もいた。


「アリシア!いけません!許可なく殿下をお誘いしては!」


しかし、レオンハルト殿下は、少し嬉しそうになった。


「では頂こう」

「レオン様、よろしいのですか?一緒に帰りますよ」


レオンハルト殿下は、リディアが止めるのも聞かずお茶会に混じった。


リディアの隣に座るレオンハルト殿下は、リディアを見ていた。


リディアは変わらず微笑みを返していた。


時々レオンハルト殿下はリディアから周りを見ていたが、周りの皆は急にきた殿下に緊張しており、作り笑顔になっていた。


そしてレオンハルト殿下と目が合った時、私は可愛い笑顔を見せた。


そしてこの時、もしかしたら私はリディアからレオンハルト殿下を奪えるのでは、と脳裏をかすった。



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