第7話 お受けします

ブラッドフォード公爵邸には図書館があると聞いたことがあるし、先に婚約者がいれば申し込まれることはない。

レオン様と縁ができることがなくなるし魅力的な話だ。

しかも、ブラッドフォード公爵はお父様より格上だから、問題なくお父様は了承するはず。


「でも、明日お父様から婚約の話があるはずです」

「では今から、ウォード侯爵に申し込もう」

「本当に?」

「受け入れてくれるか?」


しかし、オズワルド様のこの自信はどこからくるのか。

絶対女がいそう…。

レオン様のことで、いくら私でもショックはあった。

もし同じなら、どうしましょう。


「あの、つかぬことをお聞きしますが、レオン様のように浮気しますか?」

「大事にするつもりだが」


浮気はしないということですよね。

それに助けてくれたことは間違いない。

あの倒れた時、オズワルド様が私の名前を叫んで飛び込んできた。


オズワルド様の腕の中で、私は目を瞑り、一呼吸おいて決意した。


「オズワルド様、お受けします。よろしくお願いいたします」


気がつけば、いつの間にか私の震えは止まっていた。


「よろしく頼むよ、リディア」


オズワルド様は素敵な笑顔で、私に言った。



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