曼殊沙華

包み込んだは常世の花

されど無常は実り行く

月見て泣くは命散る

白日の闇を見て知らず

描き出すは死の憧憬

疑わぬは声枯らし

鬼はまだ姿を見せず

心ゆくは小さな灯火だけ

空虚という嘘は空白に過ぎず

ただ目の前の華を愛でるのみ

憂いを帯びては静寂となり

掬い上げては浄化せしめる

刃を以て振り下ろすは古きばかり

されど流れゆくは血のみならず

虚空を眺むれば鳥が飛び立ち

果てを見るは未了のまま

泥を体に塗り立て

そして全ては流転し

曼珠沙華の花が咲き誇る

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