詩集

蒼山詩乃

水葬

嗚呼 私は 溺れて 死にたい

声が揺れて 群青が蒼くなればいい

嗚呼 何もない 伸ばした 掌

乖離する 藍色 名も無き人の歌


「嗚呼」 私は 溺れて 死んでいく

声は 遥か 水面まで あと少し

もう 戻れない 感情 記憶が

剥離する 錆色 濁っていく水の香り


吐き出してみよっか 呪ってみようか

腐った空気が飲まれる

零してみよっか うなされてみよっか

ただあるは分かれた魂


離れてみよっか 救われてみよっか

可視化された肺の水

飲み干してみよっか 嫌われてみよっか

ただあるべき姿へ


壊れてしまうのが怖いのなら

照らされた私の歌 歌ってみよう

溢れたばかりに 愛おしくて

すがってしまうから ここで終わり

まだ見ぬ夢には 祈りを

消えては流れる 涙が

やがて再び 浮き上がる

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