最小公倍数は「七夕」だ

 今回は「最小公倍数」について、「七夕たなばた」を引き合いに解説を試みたいと思います。


 最小公倍数はおそらく小学校で習うと思いますが、「こんなの、なんのために使うの?」という所感をいだかれた方も多いのではないでしょうか。


 「複数の数字を比較して一定の規則性を見出す」という手法の一つですが、上記のとおり七夕を例に説明してみます。


 念のために確認すると、七夕は織姫と彦星が年に一度だけ、天の川で合うことができる(うろ覚えですみません)という趣旨の昔話に由来するイベントですね。


 ここで、「なぜ、織姫と彦星は、最低でも年に一回・・・・・・・・、出会うことができるのか?」という命題です。


 「何を言っているの?」と思われたかもしれません。


 たとえばこうするとどうでしょう。


 織姫は「5年に一回」、彦星は「7年に一回」、天の川のところまでやってこれるとしたら?


 あくまで仮定ですので、なにとぞご理解ください。


 そのもとに、「織姫と彦星が出会える」のは、「何年ごとになるのか?」、これが最小公倍数の本質的なところであり、ことによると数学として存在する意味になってくるかもしれません。


 ためしに計算してみましょう。


 5と7の最小公倍数はいくつでしょうか?


 最小公倍数とは、「複数ある数同士を比較して」「その共通する倍数」の中で、最小つまり「一番小さいもの」になるのでした。


 この場合、答えは35になります。


 ケースによっては、単純にかけ算をすればよいときがあるのでした。


 上記のとおり、もし織姫・彦星が5年・7年のスパンでしかやってこられないとすると、二人が「最初に」出会うことができるのは「35年後」ということになってしまうのです。


 ではその次はいつ出会えるでしょうか?


 5と7の最小公倍数は35ですが、その次の「公倍数=共通する倍数」は70です。


 最初を基準に75年後なので、二回目の出会いは差し引きやはり35年後になるのですね。


 この一致は偶然ではなく、公倍数の性質であり、公式的なものも存在したりします。


 くわしくは高校の科目である、いわゆる「整数問題」で学習するかと思います。


 重要になるのは、最小公倍数は「素数の積」から作られているという点になります。


 素数とは「1とその数自体でしか割ることのできない数」と定義されたものでした。


 これについてはまた別に解説できればと思います。


 今回の例は極端でしたが、実際の事例で言うと「素数ゼミ」が有名です。


 最近も確かニュースになったと思いますが、アメリカで17年周期でふ化するセミが出現したという出来事がありました。


 生物学の知識は乏しいので申し訳ありませんが、ある研究によると、外敵となる存在と出現の周期が「かち合わない」ようにする、つまりあえて「出会わないようにする」という進化だと言うのですね。


 織姫と彦星は合いたくてしかたがないと思いますが(汗)、自然界の生物であれば種の保存という意味で、学説が正しければ理にかなっていますね。


 17は素数ですが、対象となる外敵のふ化周期とは意図的に「公倍数をずらす」ということをやっているわけです。


 これは賢いですね。


 人間は大丈夫なのか(コラ!)


 それはともかく、最小公倍数にせよ単に公倍数にせよ、「複数ある数字の中から規則性を見つけてやる」という目的があるのです。


 今回も読んでくださり、ありがとうございます。


 それでは失礼いたします。

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