貴女のうなじに魅せられて

紫光なる輝きの幸せを

中学生 高校受験合格発表日

 無事に合格を果たして、ホッとしたあたし――朽木麻帆くつぎ まほの横をポニーテイルの女の子が走り抜けた。

 艶やかな烏の濡羽色の黒いしっぽ。それから揺れるしっぽの向こうのうなじ。

 ほっそりとして生え際も綺麗に緩やかなWを形作っている。

 そのうなじになんとなく既視感を感じていると――

「おっそいよ。見て見て二人とも合格したよ!」

 ポニーテイルの子が友達らしき子に声をかけられてあたしは我に返る。

 声をかけられた女の子が頷くとポニーテイルが揺れて、また白くて綺麗なうなじが見えた。

 とても好みなうなじが同級生と分かって、あたしはこれから始まる高校生活が待ち遠しくなっていた。

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