ゴーレムに転生したけど...何すればいいんですか？

第1話 異世界転移なんてそう簡単にはいかないんだよ

　俺はスマホのちょっと怖いアラーム音で目が覚めた。

スマホの時計は6時を指している。

BOTTIの朝は早い。特に意味はないが、なぜか早い。

俺は眠い目を擦りながら、床に散らばったプリントなどを踏まないようにそおっと歩き、クローゼットを開け学校の制服を取り出した。

　俺は高校2年の学生だ。成績は平均。顔も平均並み、運動も普通。だが、友達と呼べるものは0人。

しかし、一つだけ優れていることがある。

そう、それは異世界の知識だ。

俺は日ごろからネット小説やラノベなどを読みまくっている。だから、異世界に関しての知識は人並み以上と断言できる。

　俺は、パジャマを脱いで制服に着替えてから、自分の部屋の前にある階段をおり、左側にある扉を開け、ダイニングに行った

ダイニングは普通だ、そう至って普通

生活感があるテーブルの上には、「これ朝御飯」とかかれた置き紙があった。その下には、ラップされたワカメと豆腐の味噌汁と山盛りのご飯、焼き塩鮭があった。

また一人か…

と思いながら俺は、ダイニングテーブル近くの冷蔵庫から冷えたお茶を出し、逆さまに向けられたダイニングテーブルの上のコップを裏返し、お茶を注いだ。

　椅子を引き一人端に、ちょこんと座り、箸を持って、いただきますといった。

慣れているとはいえやはり寂しい。

　俺は食べ終わると食器を片付け

また二階に上がり、学校の支度をし、家を出た。

学校につき、陰キャ大好き、窓側の左後ろの席に座る。

俺は、何回席替えをしてもこの席だ。

たぶん、学校側がなんかしてると思う。

憶測だが、俺は学校お墨付きの陰キャって訳だ。

俺はそこら辺のやつとは格が違うんだよ

俺は今月発売されたライトノベルの新刊を取りだし、ワクワクしながら読み進めた

◆◆◆ーーー◆◆◆ーーー◆◆◆

昼休憩のチャイム、クラスがガヤガヤと騒がしくなるなか

「はぁ」

と俺はため息をついた

だがしかし、ため息が出るのは仕方がない

なぜかって、あのクソ忌々しい時間割りのせいだわ

マジでふざけてるわ

俺は鞄から日高昆布おにぎりとラノベを取り出した。

その刹那、教室の床に金色の文字が大量に浮かび上がる。

そして金色の文字たちがいっきに中央に集合し、金色の魔法陣らしきものを作った。

さっきまで五月蝿くしていたクラスが静まり返り、クラスメイト全員が驚嘆の眼差しを床に向ける。なかには、腰が抜けるものや、放心しているものもいた

そんな中、俺はと言うと

え！、え！！。マジ？来ちゃう、俺の時代来ちゃう？

これ確実にクラス転移だろ！！\(°∀°)/ｷﾀｺﾚやっほい

うわああああああ、やっと夢が叶ううう

俺も「俺TUEEE」したいなあああ

何て考えていました。

そんな俺の思考を遮るように

「なんだこれは」

とクラスを牛耳るリーダー的存在木村　悟が声を発した

すると、突然黒板に青白い板状のものが現れた

そこには、金髪ツインテロリが写っている

『はいは～い皆さんいい感じに困惑してますねえ～～』

『僕の名前はアルガ異世界の神やってま～す♪』

僕っ子要素も追加だ。

と俺が考えているのを遮るように金髪ツインテロリ+僕っ子が続ける

『えーっと。こっちの世界のみんなには悪いけど、僕の世界の都合で君たちを転移させる…つもりだったんだけど、だけど転生させた方が世界の状況もわかるしいいかなっておもったんで転移じゃなくて転生させることにしました～』

「はあ！？、お前何いってんだ」

「あんただれよ？」

クラスのほぼ全員が困惑している

『真実を言いました。あと名前は先程言いました。一回で聞き取ってくださ～い。何回も言うの面倒臭いんで。』

「おっ、おい。勝手なこと言うなよ。少なくとも俺は行きたくねえ」

「そーだそーだ」

「私も嫌よ」

とクラスメイトが反対する

真実かどうか確かめる前に反対するところを見ると、全員未知の状況に置かれているので信じざるおえないのだろう

『残念ですが、皆さんに拒否権はありませんので～♪』

「は？ふざけんなよ。何勝手なこと押し付けてきてんだよ。テメェのことはテメェで解決しやがれってんだ。このブスが！！」

クラス有一のヤンキー濱田が言う

こいつブスは言い過ぎだろ。

『ちょっとうるさいから君は消えて』

そう言った瞬間、濱田の足から徐々に燃え上がり、全身を炎で包み、一瞬で灰になった。

クラスメイト全員が唖然とする。

「キャアアアア」

一人が悲鳴をあげた

清楚系の成瀬…えぇー、ええっと誰だっけ

まぁ、成瀬だ。

『今みたいに～うざかったら消すから』

またクラスが静まり、生唾を飲む

『もう説明めんどいから、そこの魔法陣入って～』

クラスメイトたちが従う。

俺も入ろうとした瞬間、足元の魔法陣に気をとられ、目の前にいた筋肉だるまギャフンギャフン。

いいがたいをした、無駄に暑苦しい暑男君のばかでかい背中にぶつかり、俺はスタントマンのように華麗に後ろに転倒した。

その瞬間、眩暈がするほど眩しい光と共に2年C組のクラスは異世界に転生した。

◆◆◆ーーー◆◆◆ーーー◆◆◆

『哀れな人の子よ』

…ここは何処だ

何もない真っ白な空間。光源らしきものがないのに回りは明るい。

どこを見渡しても白い地面の地平線しか見えない。

すると突然、何もない空間に亀裂が入り、それから女性が出てきた。

その女性の金色の綺麗な髪は腰まで届き、肌は白く透き通っており、きれいな顔をよりいっそう目立たせている。また、豊満な体が女性らしさを引き立てている。

「綺麗だ」

と自然と言葉が口から出た

『貴方は死にました。』

突然の死亡宣言！！

そんなことより俺のさっきの言葉は聞こえてなかったのか、よかった～

俺はいわゆるチー牛だからな、びびったぜ。

何て思ったけど、俺死んだのお！！

マジかー。

あれっ。でも、転生だからみんな死ぬのは当たり前だよな。

ということは、これは転生前の案内ってことかな？

『否。転生前の案内ではありません』

あっれれーおっかしーぞー

俺なんもし喋ってないんですけど

心読めるのか

『はい』

とその女性は軽々とした口調で答えた

『貴方は死んだんです』

wow　マジか！！！

ちょっと待ってヤバい。理解が追い付かん。

俺は記憶をたどる

んん～と、俺なんかしたっけ？

原因となりそうなものはあのとき暑男にぶつかったぐらいかな

それから…それから。

あとなにもねええ。

じゃあ俺、あの素晴らしいずっこけで死んだの！！

クソダセーじゃん

『否、貴方は転生するとき転倒したことにより魔法陣から体が半分出てしまったので、貴方の下半身だけ転生しました。なので上半身だけの貴方は、大量出血で死にました。』

は？ちょっと待った。ヤバイヤバイ。

下半身だけ産む親は可哀想だろ

え、じゃあ俺の夢の異世界ライフはどうなんの？俺TUEEできないん？

てか今思ったけどあんただれ？

『人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るのが礼儀では？』

と返された

確かに。

「私は荒田　新也と申します。失礼ですが、貴女のお名前を伺ってもよろしいでしょうか？」

『これはこれはご丁寧にどうも。私はリュラと申します。異世界の神をしています。』

えっ、神様。、、、

あのツインテ神とは違うのか

俺思いっきりタメ口だったんだが

『別に気にしていません』

これは～寛容？なのかな

てか心読まれるんだった

『そんな話は置いといてですね。』

なんかさっきと感じ違う

さっき「否」とか言ったのは、キャラづけ？

『黙ってください』

図星か…

『おっほん。…もう普通にいきますね。』

あっ　諦めたコイツ

『貴方は死にました。死因はさっきいった通りです。それを見てて、私が「コイツ間抜けだな～」って思ったんで、異世界に転生させようかと思いまして』

「それってあんたに、メリットなくね。」

『いや、なんか面白そうなので』

いや好奇心！！！

でも転生できるならいっか。

『じゃあ決まりですね』

『今日生まれる人間はっと』

そう言って神がなにかのリストらしきものを見る

『oh shit!!』

嫌なんで英語？謎にネイティブだし

『今日は人間生まれないみたいです』

え？

じゃあ俺どうなんの？

てか、人間産まれない日とかあんの？

日本だったら、夕方に某ニュース番組が「今日はこんな子が生まれました～」とかやってるぐらいだよ！！

どんな世界だよ

「明日とかできないんですか」

『明日だと、貴方は自我を維持できなくなり、意思を持たない魂だけの存在となってここを一生彷徨うこととなります』

それって、無限地獄ってことじゃん

『そうとも言います』

『ええと、ましなのは…このゴーレムですかね。』

え。ゴーレムってあの土のあれ？

『はい、今日産まれるもので比べても一番ましなので』

絶対そんなことないだろ

『ゴーレムだったらその他もろもろ付けますから』

いや、その他もろもろとは？

『それは言えません』

それならダメだろ

そんな危険なこと誰がするか

『無言は肯定ととります。』

「いやちょっと待てよ。俺今、断ったやんか。」

『はて～断ったとは？』

「お前心読めるんやろが！！」

そんな俺の言葉に気も向けず『では』と言った。その瞬間、真っ白な地面にあの教室と同じ魔法陣が現れた。そして徐々に俺の体を吸っていく。

「お前、絶対邪神だろ」

『まぁ、そうとも言います』

『では次の人生、いや、次のゴーレム生。どうぞ楽しんで。www』

こいつ笑いやがったな。マジ覚えとけよ

その時、俺は魔法陣に体を全て吸われ異世界に転生した。