おわりに
みーやちゃんはお家の中で、ガスマスクで過ごすこともあります。家の中をどんなに気を付けても、近くの家の柔軟剤が、空気の流れに乗って入ってくるからです。
買ったばかりの新品の服でも、着られずに手放すこともあります。お店で移った香りなどの化学物質が、洗濯しても取れないからです。
本人がいくら外出制限しても、一緒に暮らすお家の人が外出すると、外出先で髪や服 カバンに香りが染み付き、外から化学物質を持ち込んでしまって、被害を受けます。
「香害」は、化学物質過敏症と違い、単に香りの「好み」による不快感も被害に含みます。
「ラーメン屋に行ったら、隣の人が柔軟剤の香りがしていて、ラーメンが台無し」などです。
「香水」は周りの迷惑を考え「香りのマナー」を守るのが普通ですが、柔軟剤の香りも同じではないでしょうか。タバコの煙と同じように「吸いたくない人の人権」もあるはずではないでしょうか。
香害は、「環境問題」と「人権」「倫理」の問題です。
空気は繋がっていて、みんなで共有しています。
「好きな香りを自由に使いたい人の権利」と「香りを吸いたくない人の権利」・・難しい問題ですが、人としてみんなでお互いを思いやり、ひとりひとり無理なく出来ることをして、みんなが安心して暮らせる社会にしたいと、私たちは思っています。
原作 せきみわこ
編集 下久保雅子
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