第1話⑩『今の世の中』と書いて、『絶望的な日常』と読む
午後10時。
温泉に入り疲れを癒した要は、再び部屋に戻っていた。
窓際に置かれたパソコンのモニターには、あのサイトが映し出されている。
パソコンの傍らに立ち窓の外を眺める要の表情が、突然硬くなった。
要の視線の先には──。
数時間前、あのファミリーレストランにいた1人の男性と3人の女性がいた。
そして、4人の姿が見えなくなってしまった。
要は少しの間4人が歩いているであろう方向を見ていたが、しばらくするとカーテンを閉めてしまった。
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