第39話来月から

「とうとう、辞める事になったのか…」

健人が、自分の部屋のデスクに腰をかけている。

「うん…」

万里はデスクチェアに腰かけ、うつむいている。


「…で?彼女の卒業を待つのか?」

「それは──」



一方。美有希の部屋では、美有希と由起と加奈芽が居た。

「美有希。本当にやめちゃうの?」

「うん…」

「美有希ちゃん。寂(さみ)しくなっちゃうよ…!!」


美有希は、今月末で高校を中退する事にしたのだ。

「本当は両親が死んだ時にやめなきゃいけなかったんだと思ってたんだけど…」

「美有希、成績良いのに。もったいないな~」

美有希は、1学期の期末試験からずっと学年トップをキープし続けていた。


「冴島先生も今月末で退職だし。後は『結婚』だね」

「そうだね~」

「もう!2人とも、からかわないでよ!!!」



数日後。

1年3組のアルバムが出来上がってきた。

「アルバムが出来上がってきました」

ワイワイと言いながら、生徒が見ている。


“終業式までに間に合って良かった──”

万里は、安堵(あんど)した。

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