One day Night Fever
周回遅れとなった珍走族を、高笑いの『赤き豹』が――
嗚呼、次章予告を
ド派手な事故に巻き込まれぬよう回避しつつ、必死で
突然、吐き気にも似た強力な嫌悪感が襲ってくる。これは……人払いの結界!?
前回と同じく、おそらく
見れば路側帯へ車やバイクを停め捨て、この場から一目散に逃げ出す奴もいる。俺は我慢できなくもないけど、よくよく考えたら凄い魔術?だ。
あと
専用品を獲得するコミュ・イベントがあったはずだぞ、確か!?
ただ、こちらとしても好都合な展開といえた。
これなら無関係な一般人が排除されるし、なにより
それより――
「
と見境なく絡んできた珍走族の方が厄介だった!
完全にテンパっちゃってるのか目は逝っちゃってるし、口の端からは泡を吹いてるし……もしかして桜先輩のいってた『狂化』って、これか!?
身体中から噴き出てる
「待ってたぜェ!! この”
「お前らとは初対面だろうがぁッ!」
駄目だ。狂化してるせいか、道理が通じそうにない。……いや、元々か?
「喧嘩上等、バリバリだぁ!
「いあ! いあ! だごん ふたぐん!」
そして問答無用とばかりに、各々が持つ凶器をも繰り出し始める!
「どうしてお前らは、すぐにバス停を持ち出すんだ! そんなもので殴ったら死ぬだろ!? 学校で習わなかったのかよ!」
「”
思っていたよりもタイヤの狙い撃ちは、難しくなかった。互いが並走していたからだろう、たぶん。
「ちょっ!? 何してんですか、
「
「だ、だけって! 不良さんのバイク、爆発しちゃいましたよ!? それも他の不良さんを巻き込んで!」
「おお? それなら
「それより! ハーレーの写真! それに番号は? 控えられたか?」
「ちゃんと撮りましたよ! でも、見慣れない青いプレートで――」
「……外交官ナンバーだな、そりゃ。まだ居るのか? いま、どの辺を走ってる?」
「すいません、いまは監視範囲外へ――」
「気にするな。そもそも環状高速を独りで監視なんて無理だ。お前はやれてるよ。
こちらは『ヒーロー』二名のエントリーを確認。他に何もないなら予定通りだ」
応答しながらも疎らとなった環状高速を急ぐ。
……見つけた。
遠くに周回遅れとなった桜先輩の
どうやら再び追い抜かれるまでを、好機と捉えたらしい。……桜先輩は、かなりの自信家か。
「この周回でポイントBへ侵入する。もう俺は範囲外か?」
「ですね。見えなくなってしまいました。私は先に監視ポイントBへ移動します。
……その……えっと……お気をつけて、
餌付けしていた野良猫が、やっと懐きかけた喜びと……それを裏切らねばならない心苦しさがあった。
なぜなら今から俺は、
……知れば酷く怒るだろうな、きっと。
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