第119話『猛炎 4』

 カフェを出て、舞央の家に向かう粉雪。


舞央「……ごめん。私たちがあの時にああやっていい加減なことしてなきゃ、こんなことになってない。今さら、何を言うのも怖い。」


彩乃「過去の自分を責めても意味がありません。」


舞央「そうだけど……。とりあえず、マネージャーに電話するね。」


彩乃「マネージャーさんに話すこと、れいむさんとゆりかさんには言わなくていいんですか?」


舞央「あ、そっか……言わなきゃ。……あ、もしもし?」


れいむ『もしもーし。どした?』


舞央「……Re:MY……見つかっちゃった。」


れいむ『え、うそ、ちょっと待って、見る。…………ほんとだ。』


舞央「ゆりかにも連絡した後、マネージャーにも電話する。」


れいむ『うん』


舞央「……」


れいむ『舞央、今1人?』


舞央「ううん。粉雪の2人と一緒。」


れいむ『ん、ならよかった。また連絡ちょうだい。こっちもなんかあったら連絡する。』


舞央「うん。じゃあ、切るね。……次は、ゆりか。」


しかし、ゆりかは電話に出ない。


舞央「仕事中かな……」


そうこうしているうちに、舞央の住んでいるアパートに着いた。


舞央「……ゆりかから電話が返ってきて、マネージャーに電話するまで、居てくれない?」


彩乃「はい、もちろんです。」


唯「はい。」


舞央「ありがとね。」


舞央の部屋で静かにゆりかからの折り返しを待つ。


 30分後、ゆりかから電話がかかってきた。


舞央「あ、もしもし?ごめん、仕事中だった?」


ゆりか『うん、ごめんね、出られなくて。……Re:MYの、こと?』


舞央「……うん。ゆりかも、コメント来た?」


ゆりか『うん。びっくりしちゃった、いつもよりたくさん来るから。』


舞央「れいむにも連絡した。今からマネージャーに電話する。」


ゆりか『……うん』


舞央「……ごめん。」


ゆりか『えっ、そんな、私に謝らないでよ』


舞央「……じゃあ、連絡するね。」


ゆりか『うん。ま、舞央、今1人?』


舞央「ううん。彩乃ちゃんと唯ちゃんと一緒。」


ゆりか『そっか……よかった。じゃあ、また。』


舞央「うん。ばいばい。」


舞央の顔がどんどん曇っていく。


舞央「マネージャーに電話するね。」


彩乃「はい。」


舞央「……あ、もしもし?水谷みずたにです。」


『おはようございます。どうなさいましたか?』


舞央「今、時間大丈夫?」


『はい、大丈夫ですよ。』


舞央「……あのね……」


『はい。』


舞央「大事な話があるんです。」


『……急ぎですか?』


舞央「うん。できるだけ。」


『会って話しましょうか。』


舞央「うん。」


『この後、事務所の会議室1でいいですか?』


舞央「うん。れいむとゆりかも一緒。」


『……?は、はい。分かりました。』


舞央「ごめんなさい。」


舞央が電話を切る。


舞央「……事務所行ってくる。」


彩乃「私も事務所までは一緒に行きます。」


唯「私も。」


舞央「……ありがと。」

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