第13話『Marionette Melody』

 今日はMarionette Melodyマリオネットメロディーのダンスレッスンに差し入れを持って行く。


「お疲れ様です!」


メルシー「あ、お疲れ様です!」


梅香うめか「お疲れ様です」


「汗だくですね!?大丈夫ですか?」


梅香「えへへ、うん、頑張って踊ったよ~!」


「お疲れ様です。しっかり汗を拭いてくださいね。こちら、差し入れのゼリー飲料です。どうぞ。」


梅香「あ、飲む!」


「はい。どうぞ。」


涼寧すずね「私も貰うわ。」


「はい、どうぞ。」


メルシー「いただきますね!」


「はい。」


梅香「はぁ~、美味しい!」


涼寧「美味しいかしら……?」


メルシー「疲れた体にしみるね!」


梅香「うん、ふふふ」


メルシー「大丈夫?無理しちゃダメだからね。」


梅香「うん、大丈夫。自分の体は、自分が一番よく分かってる。」


涼寧「……梅香は、どういう病気なの。」


梅香「うーんと……病弱、ってだけでね、病気ってほどじゃないんだよ。陽菜ひなちゃんがいっつも過剰に私のことを心配するから、なんか病人みたいだけどね。」


メルシー「そりゃ、陽菜子ちゃんは心配するよ。」


梅香「うん、ふふ、嬉しい。」


涼寧「マネージャー、私のダンス見てちょうだい。」


「あ、はい。」


涼寧さんが慣れないダンスを一生懸命やっている。Marionette Melodyは真剣で真面目な人ばかりだから、心配いらなそう。


涼寧「どう……?」


「まだ少し動きが硬いですが、随分よくなっていますよ。」


涼寧「ほんとに?」


「はい。しなやかさを身につけるのは簡単なことではありませんからね。」


かつて、アイドルを志した。私の夢は絶たれたけど、みんなには叶えてほしい。私はこの場所から、みんなを応援したい。


涼寧「しなやかさ……」


メルシー「マリメロは特に大事ですよね、きっと。なめらかに動くのって。手の動きとか、梅香ちゃんすごく上手だよね。」


梅香「そうかなぁ?私はいつもね、指先まで心を込めるよ。だって、踊ってるのが楽しいもん!」


毎日、アイドルのみんなと触れ合って、忘れていたはずの、忘れたかった夢を思い出した。キラキラ輝くみんなが愛おしい。エイチフェス、絶対に成功させたい。


涼寧「どうしたの、マネージャー。平たい顔が怖くなってるけど。」


「えっ、こ、怖かったですか?エイチフェスを成功させたいって思ってたんですが。」


梅香「うん……そうだね。成功させたい!楽しいライブにしたい!みんなに元気を届けたい!」


メルシー「うん!頑張ろう!ね、涼寧ちゃん!」


涼寧「当たり前でしょ?」


Marionette Melodyは希望に満ちた、いいユニットになるだろう。

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