第7話 フスカの森3

早朝、目覚めた私は昨日の晩御飯のサケがあまりにもおいしかったのでまた食べたくなった。サケはいないだろうが近くの湖で別の魚でも釣ろうと思い、謎の黒い空間から釣り具を取り出し、少し出かけるという書置きを残してその場を去る。

 (確か近くに湖があったはず、湖に向かうとしよう。)


 キャンプ地にはヘルハウンドを配置しておいたので問題はないはず。ヘルハウンドの攻撃は主に爪、かみつき、炎のブレスを吐くなどだ。敵対者の運の値を下げる能力も持つ。対処できない敵の場合、敵の運を下げて背にクルス・リンシーを乗せて逃げることもできる。機転が利くのがいいところだ。

 湖が見えてきたので近づくとわずかに水の音が聞こえてくる。

(湖だしワニのモンスター、アリゲーターでもいるのか。)しゃがんで木陰に隠れながら隙間から覗き見る。

「ふー、冷たくて気持ちいい」

緑の髪の美しい姿をした裸の娘が水浴びをしていた。

思わず見入ってしまいそうになる。

(女性が水浴びをしていたのか。覗いていたのを知られたらまずい。早くここを立ち去らねば。)

足元を確認する。

(小枝が落ちていて踏んだ音で気づかれるなんてミスはしないぞ。慌てるな、まだ見つかってない。そーっとだ、そーっとこの場を離れるんだ。)

見つからずにその場を離れることができたようだ。湖で魚を釣ることを諦め川で釣りをすることに。

しばらくしてテントに戻ると、

朝食の準備ができていた。

「おかえりなさい」「ただいま」

「どうだった?」

「ボウズだったよ」

「ボウズ?」

「今日の私の釣果は0匹です。という意味」

「そっか残念ね」

朝食は卵のホットサンドだった。

 食べて思ったが味が物足りないな。調味料が足りないのはたまたま持ってないのか、それともこの世界ではマヨネーズやこしょうが存在しないのだろうか


「目玉焼きには何をかけて食べてる?」

「塩よ」

「しょうゆとかソース、ケチャップやマヨネーズってかけて食べたことある?」

「聞いたことない名前ね エンネア・ゼロの国ではそういうのをかけて食べるの?」

「そうだね、どれをかけるかは人によるけど」

(どうやら私の知ってる調味料がこの世界には存在しないみたいだ。存在しないのなら作って商業ギルドを通して売れば儲かるかもしれない。街に戻ったらいろいろ調べてみるか。)


朝食を済ませ目的のゴーレムを探すこと数時間。

ついにゴーレムが姿をあらわした。

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