【エッセイ】女子が自分より不細工だと思う人に対して「可愛いー♡」と言う真髄
幻中六花
とある先生の教え
こんな光景を目にしたことがないだろうか。
仲のいい女子たちが数人集まって、1人の女子をベタ褒めしているという光景。
昔は、
「女子って自分の方が優勢って思ったら、相手を可愛いって言うんだよな」
と卑下して考えてしまっていたのだが、最近はある筋書きが見えてきた気がする。
*
最近はSNSで自撮り写真をアップして人気を集める女子も少なくないが、これは自分が可愛いと思えていないとできないこと。
私も昔は音楽活動をしていたので、顔を出してSNSをやっていた。
その時には少しでもマシに見えるよう、角度を変えたり光の加減を変えたりして自撮りしていたものだが、最近は写真加工が簡単に行えるようになって驚く。
さて、人間が他人を見た際に「見る」場所はいったいどこなのだろうか。
超絶美人のモデルさんではなく、一般に近い見た目の子の写真に対して、女子はほとんどの場合
「可愛いー♡」
と言う。
「本当はそんなこと思ってないくせに」
「実際はどう思ってるんだか」
「自分の方が可愛いと思ってるくせに」
と考えていたが、それは100%当てはまることではないことがわかった。
人は、他人を見る際、自分がコンプレックスに思っている場所にしか目がいかないのだ。
*
これは私が小学生の頃から先生に言われていた言葉。
「人間は、自分が気にしている場所を見てしまいます。鼻が気に入らない人は相手の鼻を見てしまうし、歯並びが悪くて気にしている人は相手の口を見てしまう。それは相手にとっていい印象ではないので、相手の目を見て話せるように意識しましょう」
という教えだった。
その時は、へぇ、としか思っていなかったが、年を重ねて美意識が芽生えた時、理解した。
私がコンプレックスに思っている場所はどこだろう。
ありすぎてわからないので、逆に気に入っている部分はどこだろう。
そう考えてみると、『目』だった。
だから私は人と対面して話す際、目を見れないのか……ということと、これとは別問題。
そして、気になる場所は年とともに変化することもわかった。
子供の頃は、ちょっと上を向いた鼻が嫌いだった。
だから人の鼻ばかり見て、鼻の穴が見えないのが羨ましかったし、横から見て鼻の穴が下を向いている鼻を綺麗な鼻だな、と思った。
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