第8話 聖者はボロを纏いて現れる

レアさんの言葉


「このままこの道を辿って行けば都につける

今日は半日ぐらい私とは連絡取れないので

自力で都に行き宿を取り

自由時間を過ごしていてください!」


「都近くのここら辺の魔物は弱い、

負けることはないでしょう!」



☆★☆★


この世には神はいない!

今の絶望的な中ではそう思いたくなる!


半ば連れ去られる形で国王の側室に

なったと思ったら飽きてお金と共に捨てられて

故郷に戻り「子を授かった」と思ったら


【国王の血の流れる御子様】かも知れない

また都に連れ去られる最中

何不自由ない暮らしが約束されると言っても


宮廷闘争、争いに巻き込まれて

生きていける気がしない!

命すら狙われるだろう!



そして既に襲撃にあった、

人間ではなく魔物からの!


馬車は大破し投げ出されて私は骨折

大事な我が子は守れた様だが・・


護衛には強い騎士がつけられていたはずが

残る騎士は一名のみ!


「馬鹿な!なんでこんな所に

【合成獣のキマイラ】が」


騎士3名 魔術師1名 兵士10人は居たはずが

残りは騎士1名のみ


どう見ても旗色は悪そうで

勝てる見込みはない!


死ぬのも時間の問題だろう

そして最後の騎士も倒された!


我が子を抱き抱えて一緒に天国に行こう!


★☆★☆


アドルくんはモンスターが出なくて

非常に退屈な旅だった!


ひたすら目的地を目指す中

倒れた馬車と倒れた負傷者を見つけ

何も考えないで飛び込む!


でっかい魔物みっけ!


【レベル35 キマイラ】

魔法研究所

邪悪な魔術師により作られた

合成獣キマイラの事など知らないアドル

MDEFが高く魔法が効きづらく


物理攻撃するにも大型の獣で危険が伴う


転生者でもPTを組んで戦う相手である!


合成獣はパターンが決まってなくて

コイツは頭と身体はライオン

背中にはグリフォンの翼

尻尾は翼の生えた蛇


そんな感じである!


> 「都近くのここら辺の魔物は弱い、

負けることはないでしょう!」


ありたいていに言えば【舐めプ】モード


中距離攻撃

【スラッシュの連打】


スラッシュ!

スラッシュ!

スラッシュ!

スラッシュ!


剣術S補正による【風の物理衝撃波】

MDEFなど全く関係ない!

獣特化2倍の威力で


キマイラは訳がわからないまま

尻尾の蛇は両断され

片足は致命傷、機動力が封じられ

グリフォンの翼で逃走に入ろうとするが

翼も切り裂かれて撃墜され岩に墜落

打ちどころが悪くて即死である!


アドルは【名のある雑魚】に違いない!

そう納得する!


キマイラの素材回収

負傷者の救助知識はないので

売る予定の薬草を配って回る


死ぬ事はないだろう


お人好しのアドルは不安そうに見ている

女性(のちの王妃)に獣よけのレッドベアーの

毛皮を与えて何も言わずに立ち去る


早く都に行かなければ!

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