秘密

セーラー服の少女は

小箱を隠している

いくつもの秘密が

吹き込まれている

けれども私たちは

気付くことができない

セーラ服の少女と

名付けてしまうから


二年がたち

セーラー服の少女は

スーツの美女になった

小箱の中には

さらに秘密が

やはり誰も気づかない

スーツの美女と呼ばれてしまうから


秘密はどうだろう

何年も閉じ込められたまま

名前も付けられないまま

何も見ることができないまま

待ち続けているのだ

秘密は知られることを

待っている

秘密ではなくなってしまうのに


優しいおばあちゃんは

小箱を持っていない

どこかにしまったまま

それがどこかを忘れてしまった

目に入れても痛くない孫が

偶然見つけそうだ

目に入れても痛くない最後の日

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